ゴールドコラム Gold Column

近代ヨーロッパの
金(ゴールド)と装飾品のお話

18世紀末~20世紀はじめ頃の近代ヨーロッパ。
この時期にはフランス革命や産業革命、第一次世界大戦などが起こり、 ヨーロッパだけでなく世界が大きく動いた時代でした。

金(ゴールド)保有国でありつづけた
イギリス

この時代、ポルトガルやオランダに遅れをとっていたイギリスのアジア貿易が成功を収めていました。

そもそもこれより少し前に、イギリスは大西洋においても三角貿易で多くの利益を得ており、
さらにブラジルで起こったゴールドラッシュでも、そこに大植民地を確保していたポルトガルの得た多くの金(ゴールド)を輸送するのにイギリス船が活躍したことで、このブラジル、ポルトガルの金も多くがイギリスに流れていくことになりました。

こうして得た金銀を、イギリスはアジア貿易に投資してさらに大きな利益を得、
これを資金として、アジア貿易で得た綿花による紡績工業をベースに、産業革命へとつながっていくのでした。

ヨーロッパの
ファッションを牽引するフランス

イギリスで産業革命が起こっている頃、ファッションの中心であったフランスでは、フランス革命が起こっていました。

“フランス革命を皮きりに始まる近代ヨーロッパ。当初は18世紀末の流行を追っていた装飾品であったが、 フランス皇帝ナポレオンの登場とともに古代ギリシア・ヨーロッパの装飾品を厳格に模倣するエンパイア様式が主流になっている。
敵国であったイギリスのジョージアン様式も、デザイン自体はエンパイア様式の模倣である。
しかし、当時のイギリスの金の供給不足から、極端に薄い金を加工する技術が発達していた。”

(引用:図解 装飾品/新紀元社)

このように装飾品においては、薄い金(ゴールド)の板を立体的に打ち出して、
ボリュームと強度を上げるなどの工夫がなされるようになりました。

指輪においてもやはり宝石がメインとなっていましたが、この時代のヨーロッパでの金(ゴールド)の装飾品としては、懐中時計が流行したそうです。
確かに、金(ゴールド)の懐中時計というと少し古い時代のヨーロッパを舞台とした映画などでの必需品のようなイメージがありますね。
たとえばロンドンでシャーロック・ホームズが活躍したのもこの時期でしょうか。

映画のワンシーンが目に浮かびそうです。

参照文献
『黄金の世界史』/講談社
『図解 装飾品』/新紀元社)

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