ゴールドコラム Gold Column

金(ゴールド)にまつわるお話:
今なお眠る、史上最強の海賊の宝

1930年代の米ノースカロライナ州バースで、2人の漁師が金貨のぎっしり詰まった3つの釜を発見しました。
彼らはあとで取りに来るつもりで金貨を埋め戻したのですが、その後の洪水で辺りの様子が一変してしまい、埋めた場所は結局わからなくなってしまいました。
そしてこの金貨、史上最強と恐れられたカリブの海賊「黒ひげ」のものだったと言われているそうです。

黒ひげの生涯

「黒ひげ」ことエドワード・ティーチは、1680年頃イングランドで生まれました。

“フランスとの間に起こったアン女王戦争(1702~1713年)の時代には、英国王に敵船の略奪を許された私掠船の乗組員だったと考えられている。
戦争が終わると、ティーチはバハマの海賊ベンジャミン・ホーニゴールドの一味に加わった。彼は自分を凶悪に見せようと、幾束にも編み込んだ黒々とした濃い髭で顔を覆った。その恐ろしげな風貌から人々はティーチを「黒ひげ」と呼ぶようになる。”

引用:絶対に見られない世界の秘宝99/日経ナショナルジオグラフィック社

彼はその後襲撃して手に入れた巨大なフランスの奴隷船を「クイーン・アンズ・リベンジ(アン女王の復讐)号」と名付け、
数々の船を襲っては金銀財宝を集め、カリブ海沿岸やアメリカ東海岸を荒らし回りました。

そして1718年、ついに黒ひげは捕えられ、処刑されてしまいます。
ところが、あれだけ奪ったはずの財宝が、彼の船団からはひとつも見つからなかったのです。

世紀を超える宝探しの行方

黒ひげの財宝は、ノースカロライナのあちこちに隠されたと考えられ、さまざまな憶測が飛び交いました。
しかし誰もそれを見つけることはできません。

そして20世紀になって前述の漁師たちの金貨発見があり、さらに1996年にはノースカロライナ州ビューフォートで1隻の沈没船が発見され、マスコミに大きく取り上げられました。
多くの考古学者はこれをクイーン・アンズ・リベンジ号だと考えましたが、
結局ここからも金貨や金銀財宝の詰まった宝箱が見つかることはありませんでした。

宝の在り処を示していると言われる地図も残っているようですが、はたして300年続くこの宝探し、いつの日か決着がつくのでしょうか。

敵に追い詰められ、略奪品の隠し場所を尋ねられた黒ひげはこう答えたといいます。
「それを知っているのは俺様と悪魔だけさ。どっちか長生きした方が手に入れるってことよ。」

参照文献
『絶対に見られない世界の秘宝99』
日経ナショナルジオグラフィック社

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