ゴールドコラム Gold Column

金(ゴールド)にまつわるお話:
フロリダ沖の財宝船

300年前の1715年7月31日フロリダ沖で、嵐により、スペイン艦船とフランス商船からなる12隻のスペイン財宝船団のうち11隻が沈没しました。

スペインへ向けて、財宝船団の出航

12隻のスペイン財宝船団は、スペイン王に即位したフェリペ5世が、アメリカ大陸のスペイン植民地から金の延べ棒や銀細工、金貨や銀貨、宝石類などの財宝をスペインへ輸送するために組織したものでした。
パルマ女公エリザベッタ・ファルネーゼへの結婚の贈り物を用意しなければならなかったからです。
この時の積み荷を現在の価値に換算すると数億ドルに上るとのこと。
乗組員も総勢2500名いたということなので、どれだけ大きな船にどれだけの財宝が積まれていたか…、想像すると規模の大きさに圧倒されますね。

1715年7月24日、それまで出航のタイミングを計っていた船団は、すでにハリケーンの季節に入ってはいるものの、海賊等の襲撃に遭遇するよりは危険性が低いと判断し、係留していたキューバから出航したのでした。
ところが数日間は問題のなかった航行も、徐々に嵐の気配が現れ、ついに31日未明に激しい嵐に飲み込まれてしまったのです。

フロリダ沖に眠る財宝と沈没船

難破から数ヶ月後、船の沈没地点がそれぞれ数キロメートル離れていたにもかかわらず、積み荷のおよそ半分が回収されました。
しかし長い年月が経っても、フロリダ沿岸には貴重な品々が漂着したため、宝探しをする船乗りも多かったようです。
その後20世紀半ば頃から数十年に渡って、多くの宝探し業者やアマチュアのトレジャーハンターの手により、11隻の沈没船のうち7隻が発見され、財宝を手にしたのだそう。
そして船団のなかで最速の船だったエル・セニョール・サンミゲル号には史上最も莫大な金銀財宝を積んでいたと推測されていますが、この船はまだ見つかっていないのだそうです…。

沈没から300年、2015年7月31日

今年7月31日、驚きのニュースが発表されました。
なんと、見つかっていなかった沈没船4隻のうち1隻が発見されたとのこと。
実際は6月に見つかっていたそうなのですが、沈没からちょうど300年となる7月まで公表を控えていたのだそうです。
詳しく調べてみると、今回発見された船はエル・セニョール・サンミゲル号ではないとのことですが、 総額100万ドル(約1億2400万円)相当の財宝が見つかったとのこと。
また、一部の財宝は博物館に保存される可能性もあるようです。

サンミゲル号には一体どれほどの財宝が積まれていたのでしょうね。
発見された折にはぜひ見てみたいですね。

参照文献
『絶対に見られない世界の秘宝99』
日経ナショナルジオグラフィック社

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