ゴールドコラム Gold Column

金(ゴールド)にまつわるお話:
死海文書3Q15

1947年、アラビア半島北西部の死海付近の洞窟群で、円筒形の陶器のつぼに入った最初の文書が見つかりました。
数年間の調査の結果、合計11の洞窟から900以上の文書の断片が見つかりました。この文書を「死海文書」と言います。

「3Q15」の発見

11の洞窟には発見された順に番号がつけられ、そこで見つかった文書にも整理番号が振られました。
見つかった死海文書の多くは、ヘブライ語で書かれた旧約聖書の写本など、紙に書かれた宗教に関する文書でした。
しかし、第3洞窟から発見された文書「3Q15」だけは違ったのです。
3Q15だけは、紙ではなく銅の巻物になっており、内容も宗教や歴史に関することではなく、64ヶ所の財宝の保管場所と目録になっていたのでした。

他と違う、唯一の銅の巻物

3Q15は長さ2.4メートル、幅30センチの巻物ですが、触れたときに割れてしまったそうで、当初は少しでも開けば解読不能になるのではないかと懸念されていたようです。
1955年にマンチェスター大学の研究チームが注意深く最初の部分を開き、2番目のセクションが開かれたのはその1年後のことだそう。

3Q15はほかの死海文書と異なり、死海文書が作られる800年ほど前に使われていた古代ヘブライ語で書かれていました。

“64ヵ所の財宝の在りかと目録は、どれも同じような形式で記されている。まず、特定の地名、それからある程度の詳細、次に財宝の内容だ。最後の一つは興味深い。「コーリットの渇いた井戸の中に・・・この文書の写しと解説がある・・・そしてそれぞれの場所にあるすべての物の目録がある」と書かれているのだ。この第2の文書を見つければ、銅の巻物の内容がすべて解読できると信じる人々もいる。”

引用:絶対に見られない世界の秘宝99/日経ナショナルジオグラフィック社

対の文書が別にあるとか、映画や小説の物語みたいでわくわくしますね。

文書に書かれている財宝は、古代の度量衡が使われているため正確にはわからないようですが、
金銀だけでも数十億ドルにも上るとも言われているそう。3Q15を解読した研究者も実際に2回、財宝の探索に向かったそうですが、2回とも何も見つからなかったようです。

次に見つかるのは財宝が先か、第2の文書が先か…
今後の行方が気になりますね。

参照文献
『絶対に見られない世界の秘宝99』
日経ナショナルジオグラフィック社

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