ゴールドコラム Gold Column

金(ゴールド)にまつわるお話:
黄金の板から生まれたモルモン教

「モルモン教」という名前を聞いたことのある方は多いかと思いますが、こちら正式名称は「末日聖徒イエスキリスト教会」と言うそうです。
この通称「モルモン教」は、1830年、アメリカのジョセフ・スミスによって設立されました。

モルモン教の成り立ち

モルモン教設立の発端となったのは、スミスが体験した神秘的な出来事でした。
神の使者に導かれ、書物のような金属の板を発見したというのです。

“スミスによると、見たところ板は金製で、重さは27キロ近かった。1枚の板の大きさは15×20センチ、一般的なブリキ板ほどの厚みはなく、穴をあけて3つのリングに通してあり、本のようにまとめられていたという。厚さは15センチほどもあった。各ページに未知の言語の文字が刻まれており、スミスはそれを「変形エジプト文字」と名づけた。”

引用:絶対に見られない世界の秘宝99/日経ナショナルジオグラフィック社

これは預言者モルモンが記したものとして、スミスが数年かけて神秘的な力を持つ「聖見者の石」を使って翻訳し、 1830年に「モルモン書」として出版したのだそうです。

翻訳終了後、スミスは黄金の板を神の使者に返したそうで、実物は現存しないわけですが、
モルモン書の扉には、この黄金の板を見たという証人たちの署名と宣誓書が載っているとのことです。

インカ「黄金の板」の解釈

モルモン教の信者でも、黄金の板が存在したかどうかについては半信半疑のようで、これについては意見が分かれるようです。

個人的には、そもそもその「黄金の板」は金製(ゴールド)じゃないと思うので、作り話だろうと思ってしまいます。
黄金の板のサイズとゴールド(金)の比重を考えると、いくら3つのリング用の穴が開いていて1枚がブリキより薄かったとしても、全体で厚みが15センチあったということなので、本当に金製(ゴールド)だとすると27キロというのは軽すぎるのです。
(たとえば穴など開いていない15×20×15センチの板だとすると、ピュアゴールドなら86.85キロになります。)

なお大概の信者は、やはりこの黄金の板の話、事実に基づいたものではなく宗教上の説話だと解釈しているようです。

そういえばきこりが受け取った金の斧って、何キロあったんでしょうね…?

(参照文献:『絶対に見られない世界の秘宝99』/日経ナショナルジオグラフィック社)

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