「時間がかかっても、二人で納得できるものを選びたいんです。
初めてithにお越しくださったのは、
一昨年の夏のはじまり。
入籍日に間に合うかどうかよりも、
“しっかり向き合うこと”を大切にされているお二人でした。
たくさんの指輪を試し、言葉を交わす中で、
お二人の好みや大切にしたいものが、
ゆっくりと形になっていきました。
迷いながら見えてきた“お二人らしさ”
女性は、アンティークのやさしさにも、
洗練された綺麗さにも心を惹かれていました。
「どちらかに決めきれなくて…」
そう話しながらも、その言葉の奥には、
“毎日着けたい”“永く大切にしたい”
という想いがありました。
男性は、素材の色味や質感をじっくり確かめながら、
「無理に同じじゃなくてもいいね」と、
そっと女性の選択に寄り添います。
デザインを揃えることよりも、
一緒に選ぶ時間を大切にする。
その姿勢が、とても印象的でした。
指輪選びの軸となった、婚約指輪
最初に心が定まったのは、婚約指輪でした。
選ばれたのは《アルコバレーノ》。
プリンセスカットのダイヤモンドと、
イエローゴールドに施された繊細な彫り模様が
やわらかなアンティーク感を纏います。
雨上がりの空にかかる虹のように、
控えめでありながら、
確かに心を照らす存在です。
「派手すぎないのに、ちゃんと気分が上がる」
その言葉どおり、
日常にも自然に寄り添う一本となりました。
そして、このイエローゴールドの色味が、
やがて三本をつなぐ、大切な鍵になっていきます。
日常になじむ結婚指輪を
結婚指輪は日常へのなじみを大切に
ご試着を進めます。
女性が選ばれたのは《フーガ》。
プラチナの凛とした色味に、
ハーフエタニティの控えめなきらめきとミル打ち。
婚約指輪とはあえて色を揃えず、
重ねたときに生まれるコントラストを
楽しめる組み合わせです。
男性は、じっくり考えた末に《マルカート》を。
“ピウマ彫り”が二つの色をやさしくつなぎます。
※男性用リングの色の組み合わせについて、
斜めに貼り合わせるアレンジは現在お選びいただけません。
そして、三本すべてに施された“ホーニング加工”。
あたたかさを感じるこの質感が、
それぞれの指輪を、自然にまとめています。
同じではないけれど、確かにつながっている。
それぞれの“好き”を尊重した先に生まれた
お二人らしいペア感でした。
納品の日を迎えて
「みなさんのブログを読みながら
ずっと完成を楽しみにしていました!」
納品の日、そう話してくださった女性は、
ワクワクして、いつもよりずっと早く
目が覚めてしまったそう。
男性はというと、
いつも通りぐっすり眠ってきた様子。
そんな対照的なエピソードにも、
思わず頬がゆるみました。
そっと指輪を手に取り、
何度も指先を見つめるお二人。
自然と笑顔がこぼれる、
そんな時間でした。
三本が並んだその景色は、
時間をかけて選んできた過程が、
そのまま表れているようでした。
指輪のある日常へ
納品後、お二人は前撮りや挙式を無事に迎えられ、
「着ければ着けるほど愛着が増しています」とのお言葉ととともに
素敵なお写真を送ってくださいました。
お写真に写るお手元からは、
日常の中でも大切に身につけてくださっていることが、
自然と伝わってきます。
色も、形も、それぞれ異なる三本。
けれど、同じ質感とあたたかな表情でつながる指輪たちは、
これから先のお二人の日々を、
やさしく見守り続けてくれることでしょう。
これからも、お二人の時間を
やさしく包んでくれますように。
つくり手 黒坂