「アンティーク調のデザインが好きだな」
「自分たちだけの特別感を感じられるようなデザインがいいな」
「でも、着け心地も良いものがいいよね」と
結婚指輪のざっくりとしたイメージをお持ちだったお二人。
好きな要素を出し合いながら、組み合わせを考えて
辿り着いた結婚指輪をご紹介します。
お二人のお手元にフィットした形状
じっくりと指輪を着けるが初めてのお二人でしたので
真っ直ぐなストレート形状の指輪や、
S字、U字にウェーブした形状など、たくさん着け比べていただきました。
その中でお二人にフィットしたのは《モデラート》です。
全体にふくよかな丸みをつけた形状で
指をギュッと包み込むような優しい指あたりが特徴です。
これから何十年も永く身につけていく指輪だからこそ
指に馴染む形状をベースに、アレンジすることになりました。
お気に入りの加工“槌目”
より特別感を感じられるデザインにするべく
ここからアレンジの詳細な打ち合わせをしていきます。
お二人が好きなのは“ミルグレイン”の装飾や“槌目”模様、
そして、“コンビカラー”で二面性があるのもでした。
組み合わせた時の相性もイメージしながら初めに決まったのは
《槌目春》の模様を表面に施すアレンジです。
《モデラート》のぽってりとした優しい丸みに相性がいい
あたたかみのある槌目模様です。
お気に入りの加工“ミルグレイン”
次に決まったのは、“ミルグレイン”の装飾です。
“ミルグレイン”はアンティークジュエリーにも使われる装飾で、
初めにお話を伺った時から、ミル打ちが好きと話してくださいましたね。
フランス語で “ミル” は千、“グレイン” は穀物を意味し、
“永遠の愛”や“長寿”といった意味合いが込められています。
好きな装飾だからこそ存在感を出すために
少し大きいサイズのミルをフチに施すアレンジになりました。
職人が一粒一粒施すithのミル打ちは、優しい丸みがあり、
(写真上:小さいミル/写真下:大きいミル)
最後のアレンジ
全体のバランスも考え、
二面性を表現することにしました。
左側にはヘアラインのセミマット加工を施し、
右側をツヤのある鏡面加工にすることで
好きなポイントの二面性を入れることが叶ったデザインになりました。
最後に
指輪を直接お渡しすることは叶いませんでしたが、
「イメージよりもずっと素敵な仕上がりで、二人とも大満足です!」と
メッセージをくださり、とても嬉しかったです。
指輪を着けられているお二人を見るのが待ち遠しいですが、
またメンテナンスなどでお会いできることを楽しみにしておりますね。
つくり手 田中