一生にひとつの婚約指輪は、二人らしいデザイン&個性を大切に
購入予算が30〜40万円が主流の婚約指輪は、まさに一生もののお買い物。価値観が多様化する近年では購入を見送るカップルもいらっしゃいます。
理由を具体的に紐解くと、①ファッションテイストに合わない・着ける機会がない・婚約期間しか着けられないからという宝飾品としての役割と、②相手に悪い・お金がないという金銭面の負担への遠慮が挙げられました。
※ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ
では、もしも本当にお二人が気に入って、一生愛用できる指輪が作れるならばいかがでしょうか?
近年では海外セレブリティをはじめ、婚約指輪としてファンシーカラーダイヤモンドやユニークなシェイプのダイヤモンドを身に着ける方も増えてきました。今回は、婚約指輪の一般的なイメージを取り払い、ご自分らしい一生ものの婚約指輪を見つけるヒントをご紹介いたします。
注目ポイント①:ダイヤモンドのかたち - ファンシーシェイプ
皆さんはファンシーシェイプという言葉をご存知ですか?
ファンシーシェイプとは、丸くてキラキラ輝くラウンドブリリアントカット以外のカットスタイルの総称です。
さまざまな形のバリエーションがあり、ダイヤモンドの形を変えるだけで、指輪のデザインは全く異なる印象に仕上がります。
ファッションや内面から滲み出るご自分らしさにに合わせて選べば、ご自身の個性を際立たせてくれるはず。ご自身にぴったりのシェイプを探してみましょう。
1)プリンセスカットダイヤモンド
正方形またはそれに近い縦横の比率を持つ四角形で、現代のダイヤモンドのカットスタイルの中ではラウンドブリリアントカットの次にポピュラーな形状です。1つずつのファセット(面)が細長いため、光を受けた時の輝きを「モザイク模様」と表現することがあります。
縦横の比率は正方形である1:1を基本とし、採掘された原石から最適なプロポーションにカットされるため、形状にはわずかな個体差があります。
光を受けた時の繊細な輝きと、直線で構成された四角形で手元をすっきりと見せてくれる効果のあるカットスタイルです。
2)オーバルカットダイヤモンド
ラテン語で「たまご」を意味するovumが名前の由来。楕円形が特徴です。指輪がクラシカルで大人びた印象と、丸みを帯びた優しさが楽しめます。
縦長にセッティングすれば指を長く見せてくれて、横長に留めればリッチなボリューム感が味わえるため、身に着ける方のスタイルを引き立ててくれるでしょう。
3)ハートカットダイヤモンド
愛と心の象徴であるハートは、ブライダルリングのモチーフにぴったり。ハート型を作るにはダイヤモンドの研磨時により多く原石を削る必要があるため、他のカットスタイルと比べて稀少性が高いと言われています。
可愛らしい印象が強いものの、年齢を重ねたお手元に着ければ遊び心の表れに。愛の誓いを未来に伝えるカットスタイルです。
4)ペアシェイプダイヤモンド
ティアドロップ(涙のしずく)型とも呼ばれる、洋ナシの形が特徴です。ラウンドカットとマーキスカットの組み合わせが意匠性を感じさせます。
ふくよかな丸みとシャープなラインが、しなやかで繊細なムードを醸し出し、指を細く長く見せてくれる効果も期待できます。
5)マーキスカットダイヤモンド
木の葉やラグビーボール、花びらを思わせる、ふたつの弧が先端でシャープに重なる美しいシルエット。他のカットスタイルと比べて表面石が大きいため、同じカラット(重量)でより大きく見える特徴を持ちます。
洗練された雰囲気が、クラッシックなデザインやアンティーク調をはじめ、シンプルなデザインにもよく映えます。クール且つ優美な印象が、一生もののジュエリーに相応しいカットスタイルです。
6)クッションカットダイヤモンド
アンティークカットやもしくはピローカットとも呼ばれる、四角形の角を丸めた穏やかなシルエットです。ひとつひとつの面(ファセット)が大きく、透明度を楽しめるカッティングスタイルと言えます。
落ち着いたアンティークムードが漂い、ハリー・ウィンストンで常時取り扱いのある婚約指輪にも用いられる普遍的なデザイン。柔らかさと端正な印象を併せ持ち、ユニーク過ぎないひと匙の個性を表現したい方におすすめです。
7)エメラルドカットダイヤモンド
四角形をベースに角を斜めにカットした、八角形のシェイプが特徴。ステップカットと呼ばれる並行に並ぶ面(ファセット)で構成され、輝きが控えめな代わりに透明感が際立ちます。
宝石のエメラルドに多く用いられるカットスタイルであり、キラキラの輝きよりも控えめで上品な輝きを好む方におすすめです。
ここでおさらい:ラウンドブリリアントカットとは?
真上から見ると円形をしており、輝きを最大限引き出すためキューレットを含めると58面のカットが施されています。
キラキラ=ダイヤモンドの印象を決定づけた、最もスタンダードなカットスタイルです。
注目ポイント②:色が個性を表すカラーダイヤモンド
ダイヤモンドの内部に特定の物質が含まれるか、結晶構造が歪むことにより、色のついたダイヤモンドが生まれます。無色のものが評価される一方、色が濃く鮮やかなカラーダイヤモンドも稀少価値が高く、高額で取り引きされます。
天然 or 着色?
自然界で育まれた天然のカラーダイヤモンドの他に、人工的に着色して仕上げたカラーダイヤモンドが存在します。外見上は同じに見えても、価値には大きな差が生じ市場価格が大きく異なります。
ファンシーカラーダイヤモンドとは?
ダイヤモンドの評価基準である4Cのうち、カラーの評価がD〜Zまでの範囲に当てはまらず、Zよりも濃く発色したものがそう呼ばれます。天然のファンシーカラー はとても稀少なため、オークションで落札されるなど市場に出回ることなく、中には有名な“ポープ・ダイヤモンド”のようにスミソニアン自然史博物館内の《ハリー・ウィンストン・ギャラリー》で保管されるものも存在します。
ダイヤモンドは何億年もの時を経て地上に現れた奇跡そのものであると同時に、優れた職人やデザイナーの意匠によるアートピースのような美しさを誇ります。
カラーバリエーション
天然のカラーダイヤモンドは、結晶の中に含まれる微量元素や構造の歪みにより、さまざまな色合いを持ちます。評価価値も気になるところですが、ひとつひとつのカラーダイヤモンドが唯一無二の発色を持つため、ご自身のセンスや直感を頼って色選びを楽しんでみてはいかがでしょうか?
1)レッドダイヤモンド
市場でまず見かけることのない、最も稀少性の高いカラーダイヤモンドの1つです。印象的な赤色がどのように発生するのか最新のテクノロジーでも発色の原因を解明できていない点も神秘性に拍車を掛けています。
ルビーの赤色と比較すると、赤みの強いピンク色のような色味が代表的で、ピンク色の他にオレンジ・パープル・ブラウンがかったものがあります。
2)グリーンダイヤモンド
グリーンも稀少性が高く、ダイヤモンドの結晶が天然の放射線を浴びることで色が生じると言われています。
色調は明るく、彩度が低いものが一般的でグレーやブラウンがかったものが一般的で、発色が鮮やかなものは内包物が少なく価値が高まります。
3)パープルダイヤモンド
ピンクダイヤモンドがより青色味を発色したもので、濃く鮮やかな発色のものは、稀少性が高く一般市場で見かけることは稀です。
パープルに見えても青みが足りなければピンクダイヤモンド、色が濃すぎるとブラウンダイヤモンドと鑑定されることもあります。
4)オレンジダイヤモンド
オレンジの発色は、窒素が含まれることで生じると言われ、赤味や黄色味を帯びたものがあります。
稀少性が高く耳慣れない色ですが、黄色に近づくほど手が届きやすい価格となります。
5)ブルーダイヤモンド
ブルーダイヤモンドはホウ素が混ざることで生まれ、オーシャンブルーダイヤモンド・スカイブルーダイヤモンドなど魅力的な呼称で分類されています。
婚約時に花嫁が身に着けると幸せになれる“サムシング・フォー”の言い伝えに、“サムシング・ブルー/何か青いもの” が含まれていることから、ブルーダイヤモンドを幸せのお守りとして迎え入れても素敵ですね。
6)ピンクダイヤモンド
ピンクダイヤモンドは人気があり、且つ価格が上昇しています。1979年にオーストラリアのアーガイル鉱山で発見され、質の良いものが産出されていましたが、2020年の閉山以降それに代わる鉱山が見つかっていないためです。
稀少価値と可愛らしい色合いとが相まって、多くの人に愛されています。
7)イエローダイヤモンド
イエローの色合いは窒素の含有量から生じ、レッド・ブルー・ピンクなどと比較すると手に入りやすいカラーダイヤモンドです。
ダイヤモンドに詳しい方ですと、4Cのカラー評価との違いが気になりますよね。イエローダイヤモンドはカラーグレードの評価でD〜Z中のいずれにも分類されないものを示し、その時点で濃い色を持つこととなりファンシーとグレーディングされます。
8)ブラウンダイヤモンド
最も古くからジュエリーに用いられてきたブラウンダイヤモンドは、2世紀のローマ人の指輪にすでにセットされていたと言われています。
1980年代までは主に工業用に用いられていましたが、アーガイル鉱山から採掘されたものをコニャックブラウンダイヤモンドや、シャンパンブラウンダイヤモンドと呼ぶマーケティングが奏功しジュエリーに広く用いられるようになりました。濃淡もさまざまで、色合いは赤み寄りからゴールド・パープルを帯びたものなど豊富なバリエーションから選べます。
9)グレーダイヤモンド
グレーの色合いは、内包物によるものと、水素起因で生じると考えられているものがありますが、その詳しいメカニズムは解明されていません。
服装やシーンを選ばず日常に馴染み、クールで落ち着いた印象を与えるカラーダイヤモンドです。
10)ブラックダイヤモンド
黒色でありながら、オニキスやトルマリンにはないダイヤモンド特有の強い光沢(金剛光沢)を放ちます
クリアなダイヤモンドと組み合わせれば、はっきりとしたコントラストが楽しめて、ジェンダーレスなムードがペアで身に着けやすい色合いです。
着けることで、ご自分らしさが際立つオーダーメイドジュエリー
“婚約期間しか着けないもの” ではなく、“二人らしい結婚のスタイル” を表す指輪づくりをサポートするithでは、ひとつひとつの指輪を身に着ける方に合わせてオーダーメイドでお仕立てしています。つくり手がお二人の思いをじっくりお伺いしながら、心がときめくデザインを一緒にお探ししますので、いろいろなご要望をお聞かせください。
愛するパートナーと作り上げた美しいジュエリーは、これからの日常で心を潤してくれたり、不安や困難に立ち向かう勇気を与えてくれるもう一人のパートナーのような存在に。感性に響くダイヤモンドとの出会いを楽しみに、ぜひithのアトリエへ遊びにいらしてください。