節目の年齢を迎えた昨年5月。
学生時代から15年、
人生の節目ごとに隣にいてくれた友人と、
次の誕生日を迎える前にこんな話をしました。
「これからの一生分の誕生日プレゼントを贈り合わない?」
そんな想いから始まった、
私たちだけのアニバーサリーリング作り。
お客様として迎えながらも、
気心の知れた友人との指輪選びは、
いつも以上にリラックスした、あたたかな時間でした。
「これ絶対好きそうだよね」
「でもそっちも似合いそう!」
そんなふうに自然と言葉を交わしながら、
一緒にたくさんの指輪を試していきました。
お揃いで選ぶということ
せっかくなら、
お互いが心から気に入ったデザインをお揃いで選びたい。
そんな中で最初に思い浮かんだのが、
同じ5月生まれであることにちなんだ《槌目 春》でした。
実際に手に取ってみると、
やわらかな多面が光を受けて繊細にきらめき、
その輝きが、これからの私たちの時間を
明るく照らしてくれているように感じられました。
他にもたくさんの指輪を試してみると、
改めて分かってきます。
「私はこっちが好きかも」
「それも似合うね」
そんなやり取りを重ねながら、最終にはやっぱり
「二人ともが好きで、二人ともに似合うデザインはこれしかないよね!」
と、自然と気持ちが重なっていきました。
似ていて少し違う、二人のかたち
ベースのデザインが決まった後は、
指輪の幅やアレンジをひとつずつ決めていきます。
友人は手元がすっきりと見せるため細めに、
私は普段のスタイルに合わせて太めに。
そしてそこに、
“これからも仲良くしていこうね”
という想いを込めて、
“永遠”を意味する“ミル打ち”を加えることにしました。
一粒ずつ職人が手打ちで施す“ミル打ち”は、
好みの大きさであしらうことができます。
いくつものサンプルを着け比べながら、
並べた時の印象が自然と揃うよう、
友人は小さめ、私は少し大きめの“ミル打ち”を選びました。
同じデザインをベースにしながら、
ほんの少しずつ違う。
そのバランスが、似ているけれど少し違う、
そんな私たちにもどこか重なっているように感じられました。
さりげなく込めた、二人だけの意味
内側の刻印には、
二人だけにわかる特別な数字を。
それぞれの誕生日も刻みました。
一見シンプルでありながら、
自分たちだけの意味をちゃんと閉じ込められたところも、
とても気に入っています。
ついに完成した私たちの指輪
無事に二人の誕生日前に完成した指輪は、
友人の誕生日の前日に私たちの手元へ。
BOXを開けると、目をキラキラさせながら、
仕上がりにとても喜んでくれました。
「やっぱりこのデザインにしてよかったね」
「キラキラしている感じもかわいい!」
「“春”っていう名前も私たちらしいね」
友人の嬉しそうな表情を見ていると、
一緒に悩みながら選んだ時間そのものを、
大切に思ってくれていることが伝わってきます。
つくり手として、そして友人として、
とても嬉しい瞬間でした。
これからも、同じ時間を
15年という長い時間を一緒に過ごしてきたからこそ、
気を遣いすぎず、でもちゃんとお互いを大切にできる関係。
今回の指輪づくりの時間にも、
そんな“自分たちらしさ”が
自然と表れていたように思います。
この指輪は、
これまでを振り返る記念としてだけではなく、
“これからもよろしくね”
という想いも込めて作ったアニバーサリーリング。
きっとこれから先、
嬉しいことがあった時も、少し落ち込んだ時も、
ふと手元を見るたびに、指輪を選んでいた時間だけではなく、
これまで一緒に過ごしてきた時間まで思い出すのだと思います。
そして、“何があっても一番の味方でいるよ”という気持ちも、
この指輪にそっと乗せて伝わっていたら嬉しいです。
15年変わらず隣にいてくれた友人と、
これから先の時間も、また一緒に重ねていけますように。
つくり手 黒坂