2025年もあと数日。ithを訪れてくださったお客さま、仲間、一人一人のおかげで今年を無事に終えることができました。ありがとうございます。
毎年一年を振り返って思うのは、一つずつの出会いや’縁’があるからithが続いているんだということです。
ithがはじまった時、指輪をお仕立てして納めたら終わり、ではなくその後もご縁が続いていく関係をお客さまと築きたい、という思いがありました。
作っておしまいではなく、指輪への責任を果たしたいという気持ちと、何かのタイミングでithのことを思い出して、またアトリエを訪ねてもらえたら嬉しいなという気持ちから、これまでに色々な場面で言葉にして伝えてきました。
ご縁が続いた印象的な出来事の1つ目は、2015年に婚約指輪と結婚指輪をお仕立てしたお客さまの結婚10周年を記念したフルエタニティリングを制作したこと。
SNSのメッセージで10年ぶりにご連絡をいただいた時、ithでまた指輪を作ろうと思ってもらえたことがとても嬉しかったです。
最初に吉祥寺のアトリエで過ごした婚約指輪の相談の時のこと、プロポーズが成功した時のエピソードを話してくださったこと、いろいろと思い出して再会が待ち遠しかったです。
久しぶりにお会いすると、つい最近ithで指輪を作ったかのように自然に会話がはじまり、元のデザインにアレンジを加えて自分好みにするところまで、とてもスムーズに進みました。お二人にとってそれだけ10年前の指輪づくりの体験が記憶に残っていることが分かり、それも私にとっては嬉しかったです。
また、ご家族が増えて元気いっぱいの男の子二人も一緒にアトリエへ来てくれたのですが、指輪に興味津々でした。
「いつかパパのように、大好きな人に素敵な指輪を贈れる大人になってね」と言ったママの言葉も印象に残っています。まだ小さいこの子たちがithで指輪をつくりたい、と思ってくれたら世代を超えた素晴らしいご縁の繋がりになります。それまで、がんばろう!
もう1つの印象的な出来事は、10年越しの指輪づくりのためith神戸三宮アトリエへお越しいただいたお客様とのご縁です。
2014年当時学生だった方が、路地裏にある小さな小さなithのアトリエを見つけ出してくれた奇跡的な出会いと、結婚するずっと前から憧れて好きでいてくれたこと。いままでにないエピソードを聞いて、とても驚き印象に残りました。
’たくさんよりも、ひとつをたいせつに’という姿勢に共感して長い間応援してくれる人のことを知り、私たちが日々の積み重ねを信じて進んでいく勇気をもらえた気がします。
直接お会いすることはなくても、ithを通じて強いご縁を感じられる出来事でした。
また年末にかけてお仕立てした指輪のメンテナンスなど、近くのアトリエをふらりと訪れてくださるお客さまもいらっしゃいました。年の締めくくりにithや指輪のことを思い出してくれることも、ご縁が繋がっている証だと思っています。
’ご縁が続きますように’という思いを言葉にして伝えてきた今まで。これからも、叶えたいことを言葉にしながら進んでいきたいと思った一年でした。
来年も様々なかたちのご縁が繋がるよう、一人一人に誠実に寄り添っていきます。
ith 高橋亜結