結婚10周年は「錫婚式(すずこんしき)」と言われています。
“柔らかさと美しさを兼ね備えている錫のような夫婦” で居られるようにという意味が込められています。
その10周年の折に、結婚指輪と重ね着けできるデザインを探して、ithのオンラインアトリエにお越しいただきました。
モダンよりも凝った装飾の施された、アンティークなものをお探しでしたね。
今着けている結婚指輪がイエローゴールドでシンプルなデザインということもあり、
お色味はイエローゴールドで、和彫りの輝きや、独特な表情があるデザインを探していきました。
お好みに合ったデザインを探していく中で、気に入ってくださったのが《エルバ》です。
《エルバ》は月桂樹の葉と実が交互に彫り込まれたコレクションです。
和彫りによって施された繊細な彫り模様が、お手元でキラリと輝きます。
細かなミル打ちの装飾など、職人の技と手間のかかったデザインです。
月桂樹には “幸福の木” “夫婦の木” と言われており、ithでは西洋の吉祥文様と捉え、ご夫婦の幸せを願う気持ちを込めてお仕立てしています。
指輪の中心には、リング幅と同じ大きさのダイヤモンドをお留めしました。
シンプルな結婚指輪と対照的に、華やかさがあっても良いのでは?という男性の意見も取り入れています。
「毎日身につけるものだからこそ、気兼ねなく使用したい」というご希望から、ダイヤモンドを守るような留め方でセッティングしました。
ダイヤモンドの華やかさも加わり、より特別感のある雰囲気に。
試作リングもお仕立てし、完成の雰囲気をしっかり固めて本番制作を行いました。
気に入っていただけるかドキドキした気持ちがありましたが、ご納品後、出来上がったデザインの仕上がりをとても喜んでくださいました。
錆びにくく朽ちにい、年を経るごとに風合いを増す錫のように、仲の良いご夫婦でいらっしゃられますように。
ご家族の皆様のお幸せを、アトリエよりお祈りしております。
つくり手 小野寺