「他とは違う、特別感がある」
そう気に入って選んでくださった、
お二人のご結婚指輪。
形も質感も、実は少しずつ違うけれど、
それがお二人らしさの象徴でもある気がしました。
専用工具を使った洋彫りの輝き
男性が選んでくださった指輪は《レティコロ》
“タガネ”という専用の工具を使い、
人の手の力だけで描かれる“洋彫り”の輝きが特徴です。
また、専用の機械を使用して切削される、
ithのリングでは珍しい“鍛造製法”の指輪。
上下のツヤの部分には、
成形する際に“480”もの面が削り出され、
写真だけではお届けできないほどに、
独特な輝きを放ちます。
「実は___、」と、
制作の意図をお話しさせていただいた時には、
何度も指輪を見ながら、
とても驚いてくださいましたね。
ダイヤモンドを使った繊細な輝き
女性がお選びくださったのは《アルページオ》
シンプルさと特別感を兼ね備えたデザインです。
「キラキラした印象にしたい」
そんなご希望があった女性は、
ダイヤモンドの輝きではなく、
“スターダスト加工”と呼ばれる、
金属から放たれる輝きをお選びくださいました。
スターダスト加工は、レティコロの輝きとは違い、
“リューター”と呼ばれる工具を使い、
ダイヤモンドの先端で細かな痕をつけていく技法となります。
デザイン1つ1つを丁寧に見比べてくださったからこそ、
「この二つ似てるね」と気づいてくださった、
お揃いのテクスチャ。
こちらも、写真では輝きをお届けすることは難しいですが、
レティコロの輝きと似た、繊細な輝きを放ち、
星屑のような輝きが、指輪に降り注がれました。
つくり方や形が違っても、
どこか似ているお二人の結婚指輪。
「ご夫婦になった時間を積むごとに、
きっと指輪のように似てくるのかも。」
私自身、そんな思いを感じることができた、
お二人のご結婚指輪でした。
お二人で導いた指輪の輝きが、
未来をやさしく照らし続けてくれますように。
つくり手 衣笠