ithのInstagramをきっかけに、アトリエを訪ねてくださったお二人。
女性は「リボンみたいに中央が細い形が良いんです。」
男性は「あんまりデザインのイメージはないけど、お揃いになったらいいな。」
と、それぞれのお気持ちを話してくださいました。
仲睦まじいお二人との指輪づくり、
今回はそんなお二人の結婚指輪をご紹介します。
お好み と お揃い
まずは、たくさんのサンプルをお試しいただく前に
お揃いについてのイメージのヒアリングをすると、
普段身に着ける小物の色がそれぞれ決まっているとのことでしたね。
お互いのお好みに合わせて、
「形をお揃いにしていくのがいいかも!」とお揃い感の方向性が決まりましたが、
実際にサンプルのご試着を進めていくと、形の好みも違うことに気がつきました。
男性のお気に入りは《フォルテ》
手を繋ぐようなフォルムで、浅いU字カーブの指輪です。
ほんのりと形に変化がある部分がお好みでしたね。
女性のお気に入りは《リボン ドゥーエ》
中央のクビレの形が指をすっきり見せてくれるところと
婚約指輪との重なりもしっくりくるとのことでした。
「お揃いにならなさそうだね、これは喧嘩かな!」と
冗談めいてお話しされるお二人でしたが、少し寂しそうにも見えました。
そんなお二人に、私からお話ししたことがあります。
お揃いにしたいお気持ちがありつつも、
それぞれ好みが違ったり、実際に手に似合うものは違ったりします。
そんな中で、お二人のお好みの指輪には共通点がありました。
《フォルテ》は手を結ぶ形
《リボン ドゥーエ》はリボンのモチーフ
どちらも〈結び〉という意味に繋がる指輪です。
“これからの人生を一緒に歩んでいく証” の結婚指輪として、
お好みは違うけれど、同じ〈結び〉という意味を宿した指輪は、
お二人の絆を表現するのにぴったりなのではないかと感じたのです。
そんな思いをぽつりとお話しした時、お二人の表情が嬉しそうな笑顔に変わりました。
「確かに形が違っても大丈夫だね!」と、
それぞれのお好きな形を元に、アレンジをすることにしましたね。
お二人らしいアレンジを
「ダイヤモンドを片側だけに入れたい!」というご希望があった女性。
指輪の左側だけにダイヤをお留めして、右側は鏡面の反射を楽しむ仕様に。
また幅もお手元のバランスに合わせて、少しだけ太く微調整をすることにしました。
上下をひっくり返して着け替えられる、リバーシブルなデザインになりました!
男性はマットの落ち着いた質感と鏡面のツヤっと感、どちらもお好みとのこと。
指輪の左側をヘアラインのマット加工、
右側を鏡面加工でお仕立てすることにしましたね。
左右にアレンジを施すこともお揃いになり、
別々のデザインを選ばれたからこそ生まれた、お二人らしい唯一無二のペアになりました!
ご納品の日
完成した指輪との対面の瞬間は、本当に特別な時間でしたね。
お二人の最高の笑顔と、それぞれのお手元にしっくりと馴染む指輪を見て、
私自身もとても嬉しい気持ちになりました!
ご納品後には、お二人から大変あたたかなメッセージをいただきました!
一生に一度の大切な結婚指輪づくりを、
つくり手としてお手伝いさせていただけることは、
本当に奇跡のような出会いだと思っております。
ふとした瞬間に、アトリエで過ごしていただいたお時間を
思い出していただけたら何より幸いです。
お二人で一緒に歩んでいくお時間が、笑顔と幸せに溢れる時間でありますように!
またメンテナンスなどで再会できる日を楽しみにしておりますね!
つくり手 前堂