初めてお会いした時には、お二人はまだ結婚指輪を本格的にお探しではありませんでした。
アトリエの付近にお二人でお買い物にいらっしゃった際に
以前からインスタグラムでチェックしていたithを見つけて、
どんな雰囲気の場所で、どんなデザインがあるのか、まずは下見でご覧になりました。
デザインのイメージは具体的でいらっしゃらなかったので、
どんな形がお二人のお手元にしっくりくるのか、実際にお試しいただきました。
装飾の少ないベーシックなものや、華やかな模様が施されたものなど
さまざまなデザインをたくさんお試しになり、
お二人が見つけた共通のお好みは、
2種類の地金を使った”コンビカラー”のデザインということでした。
コンビカラーのデザインは、指輪の形状によって色の見え方や雰囲気が異なって見えます。
お二人はストレートフォルムよりも、着け心地が滑らかで、柔らかな印象のU字フォルムを好まれ、
ベースリングは《レガート》に決まりました。
左右のアームが中央で手を重ねているような、特徴的なフォルムを生かし、
どのように地金を配色するか、お二人と一緒に考えます。
どちらか一方はプラチナでお揃いになるように。
もう一方はお二人それぞれのお好み色味を探しました。
『お手元に馴染ませたい』というご要望をお持ちだった女性は、
明るく血色感のあるお肌の色に合わせてピンクゴールドを選択。
男性は、プライベートでもお仕事でも使いやすくなるように、
プラチナと合わせたときにコントラストが抑えられるシャンパンゴールドを選択されました。
女性はさらにお好みの仕上がりになるようにアレンジを加えました。
幅は少し細く、すっきりと見えるように。
表面にはジグザグに配置した小さなダイヤモンドを8pc追加しています。
少しだけ華やかに見えるように、と追加することを考えたダイヤモンドですが、
お二人の記念日が8月ということもあり、
お二人にとって大切な数字である『8』をダイヤモンドの個数で表現しました。
お二人のこだわりとオリジナリティがたっぷり込められた指輪は、
男性のお誕生日であり、お二人のご入籍日に無事にご納品させていただきました。
優しく手に馴染む、あたたかみを感じるお揃いの指輪の仕上がりは
まさに仲睦まじいお二人のようでとても素敵でした。
またアトリエでお二人にお会いできることを楽しみにしております。
つくり手 櫻井