2015年の7月に婚約指輪をお仕立てした方のマリッジリングをお仕立てしました。
婚約指輪は華やかなお仕立てでしたが、
結婚指輪はシンプルでずっと身につけることのできるデザインが良いと
お二人のご希望でマルテロunoをアレンジしたデザインでオーダーをいただきました。
マルテロは丸いコロンとした形状で、2つの地金を使った貼り合わせという制作方法のマリッジリング。
K22という通常のイエローゴールドよりも黄色味の強い素材を使っています。
はじめ四角いダイヤを入れたいとご要望のあった女性のリングには、
リング幅が2mmと細く、四角い石を入れるよりもラウンドカットのダイヤモンドの周りを正方形に彫り、
四角い石が留まっているようにも見える、マス留という方法で石留めすることをご提案しました。
ダイヤとその周りの四角い彫りの装飾が、つや消しの表面によく映えるデザインになりました。
部分的に直線が入りリングにメリハリも生まれたと思います。
男性は通常2色でお仕立てするコレクションを、プラチナだけを使ってより結婚指輪らしい、
シンプルなリングにお仕立てすることにしました。
長く愛着を持って身につけること、にこだわった男性は
正面から見るとシンプルなつや消しヘアラインの甲丸リングで
側面から覗く光沢仕上げの槌目で特別感と、女性とのお揃いの部分をつくりました。
婚約指輪は、ithのコレクションにもなっているミモーサ《Mimosa》。
もともとはお二人のデザインが元になって生まれたエンゲージリングです。
そのお話しをしたところ、結婚式ではミモザをブーケに入れることにした、と女性さまが話してくれました。
たくさんの時間をかけてお仕立てした3つのリング。
二人のこれからの歴史が刻まれ、風合いが出てくるのが楽しみですね。
つくり手 高橋亜結
Lady’s Pt900,K22,Diamond/マリッジリング
Men’s Pt900/マリッジリング