どんなデザインがある?ネックレスチェーンの基礎知識
胸元を飾るアクセサリーとして年齢問わず広く愛されているネックレス。
性別も関係なく身に着けられるので、ジュエリーの中でも気軽にコーディネートに取り入れやすいアイテムのひとつです。
とはいうもののどんな種類や素材があるのか、金属アレルギーでも身に着けられる素材、修理したいときはどうすればいいかなど意外と知らないことも…。
今回はそんなネックレスのチェーンの種類や名称、お肌の弱い方でも身に着けられる素材、そして修理についてなどネックレスについての基礎知識をお話しします。
ネックレスチェーンの種類
身に着けた時の印象が変わるので、服装に合わせて選んでも素敵ですよね。それでは、ネックレスチェーンのデザインを一部ご紹介します。
小豆 / アズキ
丸いコマが鎖のように連なっているチェーンのことで、コマの形が小豆に似ていることからアズキと呼ばれています。
ネックレスチェーンといえばアズキというほど人気で、多くのネックレスに使われるデザイン。
流行にも左右されず、主張も強くないのでどんな服装にも合わせられます。
人気の高さから太さや長さ、カットが加えられたものなどバリエーションも豊富。
一見アズキに似ているデザインでもコマが円形だと“丸アズキチェーン”・コマが横に長いと“長アズキチェーン”など呼び名が変わります。
ベネチアン
四角形のパーツを90度向きを変えながら組み合わせて、つないだ平らなチェーンをベネチアンと呼びます。
アズキと比べるとパーツ同士の隙間が詰まっているので細めでも重厚感が出ます。また、間隔が詰まっていることから変形しにくく丈夫なのも特徴。面になったチェーンは反射して胸元を明るくします。
ベネチアンには4面タイプと8面タイプがあります。
4面は長方形の板を4つに折ったパーツをつないだもので、主に細いチェーンに使われます。
8面は4面のパーツの角を磨いてカットしたパーツをつないでおり、主に太いチェーンに使われています。
ボール
名前の通りボール状のパーツが連なっているチェーンです。キーホルダーなどのパーツに使われているチェーン、というとピンと来る方も多いのではないでしょうか?
ボールのサイズ違いで印象が大きく変わり、どことなくモードな印象も。
カジュアルな服装と相性がいいので、ユニセックスデザインに多く取り入れられており、単品使いはもちろん、レイヤードスタイルにもよく馴染みます。
スネーク
蛇のように見えるしなやかな着け心地が特徴のスネーク。ベネチアンと同じく隙間が詰まったデザインなので金属の帯のようにも見えます。
フラットな表面が目を引くのでチェーンだけで楽しむ方も多く、他のチェーンと比べると比較的中太の物が主流です。
デコルテに添うように馴染みエレガントにもカジュアルにも仕上げてくれます。
オメガ
ギリシャ文字の“Ω”から由来したと言われるオメガは、張りのある質感と身に着けた時に崩れない円形のフォルムが特徴。短めのものが多くチョーカータイプが主流です。
また、オメガの中でも、チェーンが丸くワイヤーのように巻きつけられているものは“丸オメガ/ラウンドオメガ”。楕円形で平たい形状は“オーバルオメガ”と呼ばれます。
平らなチェーンだと片面はイエローゴールド、もう片面はホワイトゴールドやプラチナなどと言ったコンビでリバーシブルになっているものも。
ペンダントトップを付けても円形のフォルムが崩れないので、エレガントな雰囲気が楽しめます。
キヘイ / 喜平
“喜平”とはチェーンのコマひとつひとつを90度にひねり潰してつなぐことで全てのコマの面が揃い、重厚感のある仕上がりになっているネックレス。
キヘイには2面・6面・8面・12面・14面といくつか種類があり、これらは断面図で見た時の平らな面の数を表しています。面が増えるほど光の反射が強くなり、よく輝きます。
また、ひとつのコマにいくつコマを引っ掛けているかでも呼び名が変わります。
ひとつのコマにひとつのコマが掛かっていると“シングル編み”。2コマ・3コマが掛かっているとそれぞれ“ダブル編み”・“トリプル編み”と呼びます。ひとつのコマに複数のコマが引っ掛かっているものほど隙間が埋まり存在感が増します。
この、“面”と“コマの掛かり”を組み合わせた分だけキヘイには種類があります。
例えば“2面シングル”というと、“2か所カットされているコマがシングル編み”されたチェーンのこと。“8面トリプル”となると平らな面が増え、おまけにコマの隙間も少なく非常に重厚感のあるチェーンということになります。
ユニセックスデザインとしての人気もありますが、重厚感からメンズアイテムとしての印象が強いチェーンネックレスでもあります。
長さの違いで変わる名称
ネックレスは長さによっても名称が違います。
チョーカーというと一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?これも実は長さが関係した名称です。用途や装い、TPOに合わせて選ぶと装いをぐっと格上げしてくれるはず。順番に見ていきましょう。
チョーカー
冒頭でも紹介したチョーカーは35cm程度のネックレスのこと。首にフィットする短めのデザインです。
布、革製の物や結婚式の花嫁が身に着けるジュエリーも多いチョーカーは、首に巻き付く長さで首輪のようにも見えることから“ドッグ・カラー”とも呼ばれます。
プリンセス
40cm~45cm前後のネックレスのこと。もっとも一般的で馴染みのある長さではないでしょうか。
ドレスを着たお姫様が着けているようなことから由来して名付けられました。その名の通りエレガントな印象に仕上がる長さです。
マチネ/マチネー
50cm~60cm程度の長さをマチネまたはマチネーと言います。
マチネとは舞台やオーケストラの公演の昼公演、午前中を指すフランス語で、社交界でマチネに出向く際、多くの婦人達が身に着けたと言われる長さから由来しています。
ちょうど胸先当たりにトップが来る長さで、優雅な印象を与えます。
オペラ
80cm~90cm程の長さのオペラはロングネックレスの位置づけ。
マチネが昼公演に対してオペラは夜公演の意味で、夜のドレッシーな装いに似合う長さとして名付けられました。パーティや華やかな場にピッタリなネックレスです。
ロープ
100cm以上の長さはロープと呼ばれます。
身に着けるには長く実用性が低いと思われがちですが、二重にしたり先を軽く結んだりとアレンジの多彩さは無限大。昨今ではあえて一重で身に着けるのがファッショニスタの中でも流行っています。
ネックレスチェーンの素材
さまざまな素材が使われるネックレスですが、具体的にどのような素材が使われているかご存知ですか?肌に直接触れるチェーンは素材と肌質の相性によっては荒れてしまうことも。
せっかくのジュエリーが原因で肌荒れを引き起こしてしまうのは悲しいですよね。
ここでは貴金属に限定してどのような素材がネックレスに使用されているか、またアレルギーが発症しにくい素材はどれかお話ししたいと思います。
ゴールド
日本語でいうと“金”のゴールド。
純金と呼ばれるものは24金。パーセントでいうと75%の金が含まれるものを18金といったように24分率で純度を表し、金の純度に従って呼び名が変わります。
一般的に最も多くジュエリーに使われるのは、18金で次に14金、10金と続きます。750と刻印されたものも18金と同じ意味で、750の表記は主にヨーロッパで使用されています。
また、金75%に対し残りの25%の金属の違いで色、呼び名が変わります。
金75%に割合は違えど銀と銅25%が混ぜられると、黄色っぽい色となり“イエローゴールド”と呼ばれます。銅18%・銀5%・パラジウム2%が混ぜられると、ピンクっぽい色となり“ピンクゴールド”。パラジウムが25%混ぜられると、白っぽい色で“ホワイトゴールド”と呼ばれます。
プラチナ
レアメタルと呼ばれる金属のひとつであるプラチナは、白っぽい見た目から和名では“白金”と呼ばれます。
一見するとシルバーやホワイトゴールドと混同しますが、プラチナは元々の金属の色が白っぽいので、長く使用しても黒ずむことなく白っぽい色を保ちます。
この変色することなく永遠の輝きを保つ特性から、毎日身に着けるブライダルジュエリーとしての需要も高く、世界から見ても日本は最大規模のプラチナ消費国です。
一般的なプラチナの純度はPt1000・Pt950・Pt900・Pt850の4種類で、ジュエリーに使われることの多い純度はPt900・Pt950・Pt850と表記されるもの。
その純度は千分率で表されます。
Pt950と表記されていればプラチナが95%で他の金属が5%ということになります。ちなみに純度が85%以下のプラチナはプラチナジュエリーとしては扱いません。
シルバー
白っぽい色合いの金属であるシルバーは和名では“銀”と呼び、カジュアルな装いに似合うのでボリューミーでハードな印象のデザインが豊富な素材でもあります。
一般的にはSilver1000・Silver999・Silve950・Silver925・Silver900が多く、Silver1000は純銀と呼ばれプラチナと同じく千分率で表します。
シルバー製品の多くはSilver925と表記される銀が92.5%含まれた素材。別名スターリングシルバーとも言われ、インディアンジュエリーにも多く見られます。
使用するごとに黒く変色する性質があり、あえて薬剤などを使い変色を施し“いぶし加工”として独特の風合いを楽しむのもシルバーの特徴です。
ステンレス
医療現場でも使用されることの多いステンレスは、変色・変質しにくく、水に濡れても錆びません。
また、ダイヤモンドの次に硬いと言われるほど傷つきにくいのも特徴で、長年美しい状態を保ったまま使用することが出来ます。
プラチナやゴールドよりも軽く、ボリュームのあるデザインが作りやすいため、ユニセックスデザインも豊富です。
金属アレルギーが心配な時に選ぶのは?
一般的にアレルギー反応が出にくい素材はゴールド・プラチナ・ステンレスだと言われています。
最も安心だと言えるのはステンレス。中でもサージカルステンレスと呼ばれるものは医療現場でも使用され、近年では金属アレルギーに対応したジュエリーと言えばステンレスジュエリーであるほどです。
ゴールドやプラチナは純金や純プラチナであれば安心ですが、純度が落ちるほど注意が必要。
アレルギーが出にくいとされる18金であっても混ぜられる金属によっては反応してしまい、イエローゴールド以外は肌が荒れるといった声も。
ニッケルやパラジウムでアレルギーが出ると、イエローゴールド以外を身に着けると肌荒れを起こしてしまうからです。
ステンレスだけではなくゴールドやプラチナなど身に着けられる素材の選択肢を増やすことが出来るかもしれませんので、自身の金属アレルギーが何に起因するものか知っておくと便利です。
ネックレスの修理
大切にしていたネックレスが切れてしまったけど、明日どうしても身に着けたい!そんな時もありますよね。
どの程度の状態なら自分で修理できるか、どんな道具や方法があるか、またどの程度なら修理業者に頼んだ方がいいのかをお話しします。
自分で修理
ネックレスはどこかにひっかけてしまった時に、首を守るためちぎれるように丸カンでつないでいます。
この丸カンがポイントで、輪になっている部分が離れチェーンと引き輪が取れた状態なら自分で修理することもできます。
使う道具は“やっとこ”や“ペンチ”。2本用意してチェーンと引き輪を丸カンでつないで丸く隙間のない状態に戻します。
複雑な場合はプロのジュエリー職人へ
糸で繋げられたパールネックレスやワイヤーでつないだネックレスの場合は糸替えやワイヤーの張り直しが必要となり自分での修理は難しくなるので、ジュエリー職人や修理業者へ修理を依頼することをお勧めします。
また、チェーンの途中がちぎれている場合もプロの力を借りましょう。
修理の際、まずは購入したお店で相談してみましょう。ブランドジュエリー店では有料・無料に差はあれど、殆どの修理を受け付けてくれます。購入時に付属した保証書や証明書も一緒に持参すると良いでしょう。
購入した店舗での依頼が難しい場合は、修理を専門とした業者に依頼します。
デパートやショッピングモール内にあり、買い物のついでに依頼出来る利便性の良さは魅力です。
チェーンの種類を選んでネックレスを自分らしく
ネックレスチェーンと一口に言っても、実は多くのデザインが存在しています。
どんなデザインや素材があるか、またデザインによってどんな印象になるか、肌荒れしにくい素材などを知っておくとネックレス選びもさらに楽しめるはず。
気に入ったデザインだからこそ、長く使う為にメンテナンスの知識もあると安心ですよね。自分のお気に入りを見つける糸口になれば幸いです。
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