結婚指輪は右手薬指でもいい?着ける意味や各国の文化の違いを解説

結婚指輪=左手薬指と認識されていますが、右手薬指に着けてもOKだとご存知ですか?

実は厳格なルールはなく、各国で違いや歴史があり、左右10本のどの指に着けるかでそれぞれ異なる意味を持ちます。


左手の薬指に着けることを疑問に思ってなかった人にも、新しい発見があるかもしれませんよ。



結婚指輪を左手薬指に着ける理由

 

結婚指輪の起源は、紀元前753年から始まる古代ローマ時代にあると言われています。ただし、この時代の結婚指輪は、愛を誓うというロマンチックなものではありませんでした。

 

時代が代わり西暦1614年、『ローマ典礼儀式書』に「結婚指輪は今後、左手にはめるべし」と明記されるまでは、身に着ける指に決まりはなかったようです。

 

ではなぜ左手の薬指に着けるようになったのか。所説あり正確には分かっていませんが、以下のような理由が推察されています。



慣習的な意味合い

 

かつてヨーロッパでは右手は男性を、左手は女性を表しており、右手が正義、左手が悪魔の象徴とされることもありました。

 

その思想から、女性の左手に結婚指輪をはめることで魔力を封じ、心をつなぎとめるという考えが生まれました。その慣習が世界に広がり、今につながっているのです。

 

また、印章指輪という、現代のハンコのような使い方をする指輪は紀元前から存在しており、中世の人は“指輪=契約に用いるもの”という概念を持っていました。

 

結婚という契約に指輪が用いられる儀式は受け入れられやすかったのでしょう。

 

今のように結婚指輪が愛の象徴として扱われるようになった時期ははっきりしていませんが、当時左手の薬指は心臓(=感情)につながっていると考えられていたために、支配的思想から愛情の象徴へ変化したという説があります。

 

こうした認識に影響を受け、日本では明治期以降に指輪を身に着ける文化が広がる中で、結婚指輪を左手薬指につける習慣が定着しました。



左手薬指が日常生活で一番動かさない(落ちにくい・当たりにくい)

 

人類は多くが右利きのため、左手の薬指は最も使わない指だと言われています。実際に手を動かしてみても、動かしにくい指であることを実感できると思います。

 

使わない指なので邪魔にならず、かつ大切な指輪に傷がつく可能性が下がりますので、結婚指輪を着けるのに都合が良かったのです。

 

13世紀のイギリスでは右手の中指にはめられていた指輪が、時を経て左手の薬指に変わっていますが、これも利便性が関係しているのではないかと推察されます。



結婚式の指輪交換では基本は左手薬指

 

前述の通り『ローマ典礼儀式書』に「結婚指輪は今後、左手にはめるべし」と書かれており、それに倣って日本でおこなう指輪交換は左手薬指に着けるのが一般的です。

 

ただ、結婚式という儀式そのものに指輪交換は必須ではありません。事情があって左手の薬指に着けたくないという人は、プランナーに相談してみましょう。



指の位置が持つ意味

 

右手と左手、10本の指は意味を持っています。親指は権力やリーダーシップ、人差し指は行動力、中指はシックスセンスの象徴、薬指は愛や想像力、小指は運を引き寄せる指とされ、それぞれの指に指輪をはめることでパワーをもらえると言われています。

 

左右の指でも少しずつ意味が異なるので、下記を参考にしてください。



親指

 

右手:指導者の指と言われます。リーダーシップの象徴。

左手:実行や実現を象徴する指です。信念を貫く指とも言われています。



人差し指

 

右手:集中力を高め行動を促すと言われています。人々の行く道を指し示すところから、統率力という意味もあります。

左手:積極的な行動を促す指と言われます。



中指

 

右手:第六感を刺激し、ひらめきを助ける指です。

左手:協調性を高めると言われます。



薬指

 

右手:心を落ち着かせて、創造性を高めてくれるとされています。

左手:愛の象徴であり、絆を深めると言われています。



小指

 

右手:自分の魅力を引き出してくれる指です。魔除けの指輪を着けることも。

左手:願掛けの指で、チャンスを呼ぶとも言われています。



石の入った指輪は宝石の意味も考える



もしも石の入った指輪を身に着けるなら、指の位置だけでなく、石の持つ意味にも注目してみてくださいね。

 

例えば、アクアマリンは芸術の才能を与える石と言われています。クリエイティブな仕事をする際に、右手の中指にアクアマリンの指輪をはめると、相乗効果が得られるかもしれません。



国や宗教・宗派によって着ける位置は変わる

 

日本ではあたり前のように左手の薬指に着ける結婚指輪ですが、世界規模でみると“当たり前”ではないようです。

 

ヨーロッパでは、ノルウェーやポーランド、ウクライナなど緯度の高い国で右手に着ける傾向があります。

 

ドイツでは婚約指輪は左手に、結婚指輪は右手に着けます。右手には正義の意味があり、幸福に繋がるとされているためだそうです。

 

中国では右手の薬指が既婚の意味を持っているため、結婚指輪は右手に着ける人が多いよう。

 

インドでは、一部のヒンズー教徒の女性は、ビッキヤとも呼ばれるトゥーリングを両足の人差し指にはめるとか。結婚の象徴とされ、生涯外すことがないそうです。

 

ロシアでは、離婚や死別でパートナーと離れた人が左手薬指に指輪を着ける慣習があるので、結婚指輪は右手の薬指に着けます。

 

イスラム教では左手が不浄の手とされているため、結婚指輪は右手の薬指に着けるか、厳格なイスラム教徒になると着けないという人もいます。

 

キリスト教では、宗派は同じカトリックでも、オーストリアは右手の薬指で、フランスは左手薬指につけるなど、国によっても変わるので一概には言えませんが、カトリックは左手、プロテスタントは右手に着けることが多いです。

 

このように、世界に目を向けると左手薬指にこだわる必要のないことが分かります。

 

結婚指輪は、昔から受け継がれてきた約束の証。愛という、見せることも触れることもできない気持ちを、どうにか相手に伝えたいと思う人々が生んだ”心のカタチ”なのでしょう。

 

大切なのは相手を想う心なので、宗教上の理由でもない限り、結婚指輪はどこに着けるのも自由なのです。



指輪を着ける位置を想定したサイズで作ろう

 

左手の薬指に指輪を着けないのであれば、着ける指に合ったサイズで指輪を作りましょう。

 

注意する点は、指のサイズは右手、左手でも違うということです。

 

左右で同じに見える指のサイズですが、測ると意外と違っている人が多いです。一般的に利き手の方がサイズが大きい傾向にあります。

 

指の付け根の円周からサイズが分かりますが、関節で引っ掛かり指輪が入らないこともあるため、サンプルを試すのがおすすめです。

 

ショップにはだいたいリングゲージという、指の号数を測る計測器があるので測ってもらいましょう。

また、指輪の幅の違いもサイズに影響しますので、幅が5ミリ以上ある太い指輪を着けたい方は、お店の人に相談してください。

 

お店によっては太い指輪用のリングゲージがある場合があります。

 

むくみやすい人は、生理周期や時間帯によってもサイズは変わります。普段着けている指輪があれば、今の自分の指の状態が分かるはず。小さすぎず、大きすぎないサイズを見極めましょう。

 

また、同じサイズでも指輪の形状によって着け心地が変わります。

 

内甲丸という、指に触れる内側の角を丸く仕上げた指輪なら小さめサイズを。幅が広く、断面が長方形の平打ちの指輪なら、大きめを選ぶのが正解です。



指以外で身に着けるスタイル。ネックレスにする人も

 

仕事上どうしても身につけることができない人や、指輪が苦手な人は、指輪をチェーンに通してネックレスにしてもOKです。

 

あまり幅の広いものは重くなりますし、運動する際に動いて気になることもあるため、細いタイプがおすすめです。

 

オーダーメイドの指輪であれば、ネックレスとして身につける前提でデザインを考えてもらうこともできます。



まとめ

 

結婚指輪は、右手に着けても問題ありません。着ける位置は国や文化によって考え方が異なります。

 

それでも、結婚指輪の文化が、消えずに受け継がれてきたことには大きな意味があるはず。右手に着けるか、左手に身に着けるかは文化の本質ではありません。お互いの気持ちを大切にして、お二人にとってベストな方法で結婚指輪を身に着けましょう。

この投稿をシェアする

結婚指輪は右手薬指でもいい?着ける意味や各国の文化の違いを解説