結婚式のセレモニーで行われることの多い「結婚指輪の交換」。
結婚が決まったら、結婚指輪を買うのは当然と思っている人も多く、結婚を決めた二人にとって結婚指輪は二人の繋がりを示す大切な存在になるでしょう。
しかし、結婚指輪ってなぜ必要なのか?結婚指輪の意味は?どうして交換するの?と疑問に感じたことはありませんか?
今回は、結婚指輪の歴史や結婚指輪の意味、結婚指輪の豆知識をご紹介していきます。
結婚指輪の歴史
結婚指輪が結婚の証として使われるようになったのはいつからなのでしょうか。
そして、日本に結婚指輪の文化が定着したのはいつからなのか?
結婚指輪の歴史を紐解いていきましょう。
結婚指輪の由来や結婚指輪の交換の始まり
結婚指輪の起源は、古代ローマ時代の9世紀頃とされています。ローマ教皇ニコラウス一世が自分の結婚式で、鉄の輪を結婚の誓いの意味として使いはじめたのが由来と言われています。また、当時は、結婚指輪を男性から女性へ贈っていたようです。
では現在と同じように、男女で結婚指輪を交換するようになったのはいつ頃からなのでしょうか?
最も古い記録として残っているのは、1027年の『ローマの結婚指輪の起源』(M・ミュール)という書物に記載されています。そこには「花婿は花嫁に金の指輪を、花嫁は花婿に鉄の指輪を交換している」という記述があるそうです。
ただ、実際に結婚指輪の交換が広まったのは、13世紀もしくはその後14世紀から始まったルネサンス期に定着したと言われているようです。
日本に伝わったのは?
日本に結婚指輪が認識されたのは、西洋文化が知られるようになった明治時代後半ごろからでした。しかし、結婚式自体も西洋とは大きく様式が異なったことから、なかなか結婚指輪の習慣が定着しなかったようです。
明治時代になるとキリスト教の結婚式が行われ、大正時代には結婚指輪が一般的に知られるようになったと言われています。
日本で結婚指輪の交換が始まったのは?
日本で結婚の意味として結婚指輪の交換が広く認識されたのは、生活様式が西洋に近づき始めた戦後。80年代にはホテルや式場にチャペルが併設されるようになり、ウェディングドレスの人気とともに結婚指輪の交換のセレモニーもどんどん広まっていったようです。
結婚指輪に込められた意味とは?
戦後多くの人に認知された結婚指輪。結婚したら結婚指輪を着けるのが当たり前と認識されていますが、結婚指輪には一体どのような意味が込められているかご存知ですか?
永遠の愛
結婚指輪は途切れることのない円の形が永遠を表すことから、二人の永遠の愛を象徴しているものだと言われています。
愛を育み、結婚を決めた二人。その幸せな想いがずっと変わらないように、という願いを込めて交換されるのが結婚指輪なのです。そんな想いを持った結婚指輪は、かけがえのない証としてふたりの指に輝き続けます。
結婚していることの証
結婚指輪は「私は結婚しています」と自分にパートナーがいることを周囲に知らせるための証でもあります。
また、中世ヨーロッパでは結婚で家と家が繋がることを重視していました。家紋が彫られた指輪をお互いが持つことで、家同士に関連があるという信頼の証としての意味を持っていたようです。
結婚したことを実感する
結婚指輪をすることで自分自身も「結婚した」という実感を持つことができるようです。指輪をつける習慣があまりない男性は特に、結婚指輪を着けることで「自分は結婚したんだ」と強く感じることが多いようです。
結婚指輪をさらに特別なものに
結婚した証として大きな意味を持つ結婚指輪。着けるだけでも大きな意味を持ちますが、結婚指輪自体に石言葉や刻印を入れると二人だけの想いや意味を込めることができ、特別感が増します。
石言葉で二人だけの特別な結婚指輪に
誕生石には月ごとにそれぞれ石言葉があります。そして、身につけているとお守りになるといわれているので、毎日身に付ける結婚指輪に誕生石を入れる人も多くなっています。最近では、自分の誕生月の他にも二人の記念日や入籍日の月の宝石を、指輪の内側に入れるのが人気です。
<誕生石と石言葉>
1月 【ガーネット】勝利・真実・友愛
「実りの象徴」とされ、成功へと導いてくれるといわれています。
2月 【アメシスト】誠実・高貴・心の平和
「愛の守護石」と呼ばれ、真実の愛を守り抜くパワーを与えてくれるといわれています。
3月 【アクアマリン】聡明・沈着・勇敢
『天使の石』と呼ばれ、美しい若さと幸せな結婚を象徴するといわれています。
4月 【ダイヤモンド】永遠の絆・純潔・清浄無垢
「永遠の絆」を象徴し、ふたりの絆を強めてくれるといわれています。
5月 【エメラルド】夫婦愛・幸福・幸運
「叡智」を象徴し、恋愛成就や幸せな結婚のお守りとして伝えられています。
6月 【ブルームーンストーン】愛の予感・恋の予感・幸運
「愛を伝える石」と呼ばれ、幸せな結婚や幸せな家庭へと導いてくれるといわれています。
7月 【ルビー】情熱・威厳・勇気
「勝利を呼ぶ石」と呼ばれ、繁栄や富・平和をもたらしてくれるといわれています。
8月 【ペリドット】夫婦愛・夫婦和合・友愛
「太陽の石」と呼ばれ、明るい希望と勇気をもたらし、仲の良い幸せな夫婦になるといわれています。
9月 【サファイア】慈愛・誠実・徳望
カリスマ性、勝利運、金運などを高め、チャンスを掴む助けにもなるといわれています。
10月 【ピンクトルマリン】広い心・貞節・思慮深さ
愛情に満ちた石であり、愛情を強化し、愛の歪みを癒してくれるといわれています。
11月 【ブルートパーズ】希望・友情・知性
「学問や教養をつかさどる石」と呼ばれ、集中力を高めて、頭の働きをよくするといわれています。
12月 【タンザナイト】冷静・神秘・高貴
「霊力を授ける石」と呼ばれ、知性や意識を高め、物事を成功に導く石といわれています。
また、花嫁は青いものを身に着けると幸せになれるという「Something Blue」のおまじないに由来する青いダイヤモンド「ブルーダイヤモンド」を選ぶ人も増えています。
刻印で愛の証を残す
結婚指輪に入れる刻印は、二人の記念日やイニシャルを入れるのが一般的ですが、最近では、思い出にちなんだモチーフや言葉などを入れることも。
刻印のアイディアを一部紹介いたします。
・イニシャル
・記念日などの日付
・「愛してる」を各国の言葉で
(例)I love you(英語)Je t’aime(フランス語)Ti amo(イタリア語)
・英語のメッセージ
日本語だと大げさになってしまう愛の言葉も、英語だと軽やかに表現することができます。
(例)With Love(愛を込めて)/Love Forever(愛は永遠に)/Always With You(いつもあなたのそばに)
・フランス語のメッセージ
洗練されたイメージのフランス語のメッセージでワンランクアップしたメッセージはいかがですか?
(例)Mon amour.(私の愛する人)/Toujours ensemble.(いつもふたりで)/Tu es le seul.(あなただけ)
・ラテン語のメッセージ
ラテン語は馴染みが無い人が多いため、二人だけの特別な言葉になります。
(例)Cum omni amore meo(私のすべての愛を込めて)/Si vales valeo(あなたの幸せこそが、私の幸せ)/In saecula saeculorum(ずっと、永遠に)
・日本語のメッセージ
一文字で意味を込められる漢字やシンプルに愛の言葉を入れるなど、日本語はバリエーションが豊かです。
(例)愛/絆/愛を込めて/ずっと一緒に
・ユニークな刻印
星やハートなどのモチーフや二人の似顔絵を刻印する人も。また、結婚指輪を2つ合わせると、記号やイラストが完成するものやメッセージになっているものになるという刻印もあります。
刻印を入れることで、結婚指輪は世界に一つのものにできるので、結婚指輪をさらに特別にしたい人にはとてもおすすめです。
結婚指輪を交換する意味
愛の証として大切な存在である結婚指輪。ではなぜ、結婚指輪を男女で交換するのでしょうか?結婚指輪を交換する意味について解説していきます。
指輪の交換をする意味
もともと指輪交換には、指輪を信頼の証として交換することで、家同士の結びつきを強めるといったことや永遠をあらわす円形の指輪を交換し、二人が交わした永遠の愛の誓いを目に見える形として示すといった意味があるそうです。
また、結婚指輪を交換することで、男性の薬指には女性の分身としての結婚指輪を、男性の薬指には女性の分身としての結婚指輪を着けるという意味も含んでいるようです。
指輪交換を儀式として行う
古い時代から愛する人に指輪を贈るという事は、何よりも愛と決意を伝える事であり、二人を繋ぐ愛の象徴として結婚指輪はとても重要な意味を持っています。
その重要な意味をもつ結婚指輪を、家族や親しい友人たちに見守られ、多くの祝福を受けながら交換することで二人の絆がさらに深まり、結婚をしたという証となるのです。
なぜ結婚指輪を左手の薬指に着ける?
「結婚指輪は左手の薬指に着けなくてはいけないもの」と思っている人が多くいらっしゃると思います。ではなぜ、結婚指輪は左手の薬指につけるのでしょうか?
その由来や意味をご紹介します。
結婚指輪を左手の薬指に着ける由来と意味
結婚指輪を左手の薬指にはめるようになったのは、古代ギリシャの習慣が由来といわれています。古代ギリシャでは、心臓は心が宿っている場所と考えられていて、その心臓に繋がる血管が左手の薬指にあると言われていました。そのため、左手薬指は心に直結する神聖な場所とされ、その指に愛の証である結婚指輪をはめることで、「相手の心を強くつかむ」と信じられていました。
左手の薬指に結婚指輪を着けることで「相手の心をつかみ、永遠に繋がり続けることができる」という意味を込めることができ、日本では左手の薬指に結婚指輪を着けることが定着したようです。
このほか、左手は右手に比べてあまり使われなく、さらに薬指は他の指に比べて大きく動くことが少ないという特徴もあるようです。そのため婚約指輪に傷がつくのを防ぐという意味で、控えめな左手の薬指に着けるのが一般的になったともいわれています。
結婚指輪を右手や足に着ける国も!?
世界の国々では、結婚指輪を左手の薬指以外に着けている国もあります。
北欧やドイツ、オーストラリアなどでは右手の薬指に結婚指輪を着けることもあるそうです。キリスト教では右手の薬指が「正義の象徴」を意味し、「この人を一生愛します」という永遠の誓いの証しとなるようです。
また、インドや東南アジアでは、靴を履く習慣がないため、足の指に指輪を着ける人もいて、結婚指輪も足の指に着ける人も多くいるようです。
結婚指輪はもっと自由に
このように、すべての国で結婚指輪を着ける位置は左手の薬指と決まっているわけではありません。
日本でも「婚約指輪や結婚指輪は左手の薬指に」という説は一般的ではあるものの、自分の着けたい指に結婚指輪を着けても問題はないのです。
無理に左手の薬指結婚指輪をはめなくても、自分が心地よく感じる指に結婚指輪を着けることをおすすめします。
指輪はどうしても苦手という人であれば、結婚指輪をチェーンに通してネックレスにしている人もいるそうです。
まとめ
結婚指輪は世界でたった一つの二人だけの特別なもの。そして、指輪交換を行うことで更に絆が深まるということが分かりました。
どんな指輪にするのか、どこに身に付けるのかは自由です。
夫婦の絆や愛の証は夫婦それぞれ。自分たちにあった絆の深め方を見つけてみてくださいね。