婚約には法的な手続きがないため、ふたりが結婚の意思を確かめ合った時点で成立します。しかしそれだけではいわば口約束にすぎず、これといった実感も湧いてきづらいですよね。
結納とは、婚約の儀式のこと。必ずしなければいけないわけではありませんが、婚約をなにかしらのかたちにすることで、結婚に対する自覚や責任感も強まります。どのようなスタイルで行うかは、両家の意向を確認しましょう。
時期は、結婚式の日取りが決まってから、式の4か月前までに行うのがベスト。それ以降だと結婚式準備が本格化してきてしまうため忙しくなってしまいます。記念品を贈りあうのであれば、その準備期間も考慮して決めるとよいでしょう。日柄は、縁起や吉凶を気にするのであれば大安や友引を選びますが、六曜にこだわらずに両家が集まりやすい週末に行う場合も多いです。
時間帯としては、午前11時ごとから結納を始め、そのあとで祝い膳を囲み、午後3時ごろにお開きとなるのが多いようですが、両家の都合によっては午後から始めて夕食をともにするケースも。両家と相談しながら、進めていきましょう。
結納ってどんなことするの?
結納のスタイルは、正式結納と略式結納の二種類あります。
正式結納とは仲人が立ち会う、伝統的なスタイル。略式結納は、仲人を立てないため、男性側の父親が進行します。結納品や目録、受書、家族書といった書類の取り交わしはどちらの場合も行いますが、地域によって品数、内容、飾り方が異なりますので注意しましょう。百貨店のブライダルサロンや結婚式場、専門の業者などで、結納セットが市販されていますので、そちらを購入すると便利です。
結納を行う場所は、一昔前は女性宅で行うのが主流でしたが、最近ではホテルや専門式場、料亭などの利用も増えています。個室料、結納品、進行サポート、祝い膳などがセットになった結納パックが用意されている会場もあります。
服装は、正式結納なら正礼装、略式結納なら準礼装や略礼装がほとんどです。両家で格をそろえましょう。ただし、女性が振袖なら、男性はスーツでOKです。
フォーマルウェアの種類
正礼装 準礼装 略礼装 父親 紋服 モーニング
ブラックスーツ
ダークスーツ 母親 黒留袖 色留袖
色無地・訪問着 スーツ
ワンピース
付け下げ スーツ
ワンピース
男性本人 紋服 タキシード
フロックコート
ブラックスーツ ダークスーツ 女性本人 振袖 ドレス
訪問着 スーツ
ワンピース
付け下げ スーツ
ワンピース
(引用:ありがとうの気持ちを贈るハッピーウエディングBOOK/高橋書店)
婚約記念品はなにを用意する?
婚約の証として贈りあうものを婚約記念品といいます。
結納を行う場合は、結納品と結納金が婚約記念品になります。結納品とは長寿や子孫繁栄を象徴する縁起ものを揃え、結納金は花嫁支度のためのお金です。そのお返しとして半額程度の現金などを結納返しとして渡します。結納返しを行わない地域もありますし、結納返しの分をあらかじめ差し引いた金額で結納金とする場合もあります。
近年は、それらの代わりに品物を選ぶ人も増えています。
男性から女性に贈る品として人気なのは、やはりエンゲージリングですよね。ほかには、ネックレスやイヤリング、腕時計など、身に着けられるものが主流です。女性から男性には腕時計やスーツのほかに、万年筆や電化製品など、少し質の高いものがスタンダードです。
金額や品物について、親のこだわりもあるかもしれないので、両家で話し合っておくとトラブルになりません。
格式ばらない婚約のスタイルも人気
かしこまった結納はちょっと…という方には、顔合わせを兼ねた食事会も人気です。特に決まった形式はないため、気楽に食事を楽しみながらの歓談や、結婚式のスケジュールについて話し合いをしてもいいですね。とはいっても、婚約という大切な場であるため、儀式的な要素を取り入れるなどして、婚約式らしくすることも意識しましょう。
会場探しや予約はふたりが中心となって進めていきます。ある程度格式のある料亭や落ち着いた雰囲気のホテル、レストランの個室などがおすすめです。予約時に婚約のための食事会であることを伝えておきましょう。料理を出すタイミングなど、会場側のアシストの有無も確認しておくとスムーズです。服装は会場の雰囲気に合わせて、スーツやワンピースなどフォーマルな装いにします。
儀式的な要素としては、進行役を決めて家族を紹介しあったり、婚約記念品を交換したり、記念撮影などが考えられます。始めのあいさつの言葉を述べたり、最後にお礼の言葉で結びのあいさつとすると、場が引き締まりますね。あいさつ文や、男性本人か男性の父親のどちらが進行役をするのかは、あらかじめ相談して決めておきましょう。
(参考資料:ありがとうの気持ちを贈るハッピーウエディングBOOK/高橋書店)