プロポーズの日から約一か月が経ったある土日、
お二人は銀座のアトリエを訪れてくださりました。
お二人にとって特別な、
プロポーズの日の思い出を指輪に込めたい。
そんな素敵なご希望をお持ちでしたね。
思い出の情景を思い浮かべて
ある満月の夜、クルーズディナーで
ご結婚を約束されたというお二人。
指輪を見る度に、その瞬間のことを思い出して
幸せな気持ちになれるようなデザインを
一緒に探していきました。
まず、結婚指輪のベースの形として選んでくださったのは、
トップのひねりが特徴的な《メビウスウーノ》です。
ひねり部分の地金の動きが
穏やかに波打つ海に見えましたね。
そして表面のテクスチャには
《ピウマ》の彫りを施しました。
やんわりと優しく輝く繊細な彫りを
水面に映し出された月光に見立てた
素敵なペアが完成です。
お好みを大切に選ばれた婚約指輪
二人で一緒に着けていく結婚指輪では、
お二人だけのストーリーを大切に選ばれました。
一方で、婚約指輪は女性が身に着ける指輪ということで、
女性のお好みをたっぷりと詰め込んだ、
お気に入りのデザインをつくっていくことにしましたね。
あらかじめithのブログを読んで
気になってくださっていたのは、
上下のミル打ちがかわいらしい《アロー》でした。
アトリエで実際に指輪を着けてみると
色々なデザインが候補に挙がりましたが、
最終的には、普段使いも、お好みも叶えることができる
《アロー》に決まりました。
実はプロポーズの日は女性のお誕生日でもあります。
《アロー》の脇石に、お留めしました。
ダイヤモンドにもこだわって
デザインが決まったら、
最後は真ん中に留めるダイヤモンドを選んでいきます。
大きさは、普段からたくさん身に着けたいというご希望と
婚約指輪の特別感がほしいという、
どちらのご希望も叶えることができる0.2ctに。
そしてその中でもひときわ強く輝きを放ち、
より一層特別感を感じさせてくれる、
お選びいただきました。
サリネ・テクノロジー社より提供される
評価レポートがついており、
カラー・クラリティ・カット・カラット の
4Cだけでは判断できない “輝きの良さ” を可視化、評価しています。
また、こちらは電子レポートとなっており、
そのダイヤモンドがどこの鉱山で採掘され、
原石からどのようにプランニングして
現在の形に研磨されてきたのか。
そんなダイヤモンドの旅路を
ビジュアルで確認することができます。
一見個性が分かりにくいダイヤモンドですが、
そのめぐり逢いは一期一会です。
お二人も、その唯一無二の出会いと、
他にはない面白さを気に入ってくださりましたね。
指輪とのご対面
約二ヵ月の制作期間を経て
こだわりがたっぷり詰まった指輪を
お二人にお渡しする瞬間は
つくり手の私もとてもドキドキしました。
お二人の想像を超えて素敵に仕上がった指輪と
初めて対面した瞬間の、
お二人の嬉しそうな表情が心に残っています。
ダイヤモンドのこれまでの旅路の先に、
お二人の思い出が重なり、そして続いていくその軌跡を
これからも密かに見守らせてください。
そしてまたいつか、今度は新たに刻まれた
お二人の思い出をアトリエで聞かせてくださいね。
つくり手 長利