はじまり
「よくお店の前を通るので、気になっていたんです」
これが女性とithとの出会いのきっかけでした。
馴染みのある道に佇むアトリエの扉をくぐると、
そこには、日常とは少し違う特別な空間が広がります。
非日常を感じさせるアトリエで過ごす時間の中で、
「芸術品を見ているようですね」と、
楽しそうに指輪を眺めるお二人の姿が印象的でした。
芸術、と聞くと連想されるもののひとつが
音楽ではないでしょうか。
職人の技術が詰まった指輪のコレクションの数々には、
音楽にちなんだ名前をもつものも多くあります。
形だけでなく、名前にもつながりを
指輪のひとつひとつとじっくり向き合いながら
中心に入った1本のラインが、
お揃い感を感じさせるひと組です。
男性が選ばれた《カノン》。
音楽用語では、同じメロディーを追いかけて
演奏することを指します。
女性が幼い頃に、
ピアノで演奏していた曲のひとつだと、
お話しされていましたね。
繰り返し流れるメロディーに、
幸せな日々がこれからも続いていきますように、
という願いが込められています。
女性が選ばれた《アルページオ》。
音楽用語では、
和音の音を一音ずつ奏でる演奏方法を指します。
日々を重ねながら
音楽に結びついた名前を持つそれぞれの指輪。
お二人が選んだ指輪は、
自分だけでなく相手の方も一番、
と感じたものでしたね。
ご納品の時から約一年が経ちましたね。
日常を過ごす中で、
ふと手元を見た時に笑顔が溢れる、
そんな存在の指輪となっていたら嬉しく思います。
つくり手 岡本