結婚25周年の銀婚式だけの、特別な指輪づくり
指輪ひとつひとつは小さく、そこに留まるダイヤモンドはさらに小さく繊細なものですが、記念日の指輪づくりにはお客様の特別な想いが存在し、その方それぞれのこだわりや叶えたいデザインが存在します。
そして、そのご要望を叶えたい思いで職人は技術を、つくり手は知恵を尽くして指輪づくりに励みます。
このときお仕立てしたのは、結婚25周年を迎えるお二人の銀婚式を祝う記の指輪です。
すでにお二人は他のブランドの指輪もたくさんご覧になられており、女性から具体的なご要望を2点いただきました。
ご要望 1：指輪のフォルムについて
1つ目のご要望は、ご愛用中の結婚指輪とぴったり重なり合うかたちにすること。
［ 写真：お持ちの結婚指輪 ］
お持ちの結婚指輪はS字カーブが左に向かって上がる形状ですが、どのブランドを訪れても右上がりのカーブ形状ばかりでお持ちの指輪と重ねられず、オーダーメイドのithへご相談いただいた経緯を教えてくださいました。
ご要望 2：ダイヤモンドと “25” へのこだわり
2つ目のご要望は、ダイヤモンドのカラット数に関するものでした。
0.05 + 0.20 = 0.25 → 結婚25周年
ご愛用中の結婚指輪には0.05カラット分のダイヤモンドが留まっているので、今回新しく制作する指輪に0.20カラットのダイヤモンドを留めれば指輪2点分で合計を0.25カラットになり、結婚25周年の記念にぴったりだとお考えでしたね。
2点のご要望を伺い、今まで身に着けていらした結婚指輪を大切に思うお気持ちと、新しい指輪への期待がつくり手の私にもひしひしと伝わってきました。
職人と相談して進める指輪選び
実は、ithのコレクションリングも右上がりのカーブばかり。左上がりのカーブを描くデザインがなく、ご愛用中の結婚指輪とぴたりと重なる新しいフォルムの指輪を作らなければなりません。
自社工房の職人と相談し、どうすれば特殊なご要望を実現できるか、そしてどのような手順で制作を進るか話し合いました。
打ち合わせの末、工房にてご愛用中の指輪をお預かりすることに。重ね着けする指輪の実物を確認しつつ、ぴったり重なるフォルムを探り、ご希望通りの左上がりの制作することが決まりました。
ダイヤモンドのご要望に合わせて
ダイヤモンドを0.20カラット分留めるとなると、指輪の半周にダイヤモンドが並ぶ “ハーフエタニティ” と呼ばれるリングデザインとなります。
エタニティは “永遠” を意味するデザインなので、記念の指輪にぴったりでしたね。
［写真：ithのコレクションリング《ロンド》］
参考にしたいお好みのデザインとして選ばれたのは《ロンド》で、丸みのあるかたちや、ダイヤモンドの大きさのバランスを気にってくださいました。
ご希望通り合計で0.20カラット分になるよう数を調整すると、必要なダイヤモンドは20石に。
お預かりした指輪にカーブの形を微調整し、20石のダイヤモンドが美しく並ぶようフォルムを整えお仕立てしました。
“お揃いであればこだわらない” とおっしゃる男性も、同じ左上がりのカーブの指輪をベースに、女性のお気に入りの《ロンド》のヘアライン加工を施してマットに仕上げお揃いのアレンジで仕上げています。
小さな奇跡のような共通点と、指輪との特別なご縁
こうして指輪のデザインが決定した後、女性は偶然の共通点について話してくださいました。
ご愛用中の結婚指輪と、新しくお仕立てする指輪。
ふたつの指輪に留まるダイヤモンドの数が合計25石となり、結婚25周年と重なること。
さらに、新しくお仕立てする指輪のダイヤモンドが20石であり、お二人のお子様が今年20歳になること。
導かれるように重なるお二人とご家族との共通点に、ithの指輪との特別なご縁を感じてくださったそうで、つくり手の私も指輪の完成がますます楽しみになりました。
完成したアニバーサリーリングを目の前にして
待ちに待った、結婚25周年を祝うアニバーサリーリングのご納品日。
［写真上：完成した指輪 / 下：ご愛用中の結婚指輪］
今まで身につけてきた指輪に、アニバーサリーリングとして完成した指輪を重ねて着けてみて、ぴったりと重なる様子に感動してくださいましたね。
「結婚25周年を迎える結婚記念日に、改めてセカンドプロポーズというかたちで、お互いに感謝の言葉を添えて指輪を交換します」とお話して下さいました。
25年の結婚生活を共にして思い出が詰まった結婚指輪に、新しいアニバーサリーリングを重ねて過ごす新しい日々。
幸せや感謝を重ねるように、この度お仕立てしたアニバーサリージュエリーがより特別なものとなりますように。
