11月の下旬に、
先週プロポーズしたばかりという男性が
アトリエを訪れてくださいました。
この日は“いい夫婦の日” デートとして
指輪選びを計画されていたものの、
女性は急なお仕事へ。
そんな経緯から、この日は
お一人で指輪を探しにいらしたと
教えてくださいました。
実はつくり手の私自身も、
かつてithのお客様として
現在の妻と一緒に、
いい夫婦の日に合わせて
この柏アトリエで結婚指輪を選んだ一人。
懐かしい気持ちを思い出しつつ、
男性同士の気の置けない
下見の時間が始まりました。
婚約指輪と結婚指輪を
両方探されているとのことで、
早速デザインをご覧いただきました。
男性から見て、お相手の女性が
どんなデザインがお好みか尋ねると、
明確なお返事をくださいました。
“さりげなくて、可愛らしい”
そして、たくさんある指輪の中から
《フォルトゥナ》・《ホルン》・
《アルベロ》の3種類をピックアップ。
ニコニコと嬉しそうに
女性のお話をしてくださり、
淀みなくお見立てが進みました。
さらに、
女性は紫がお好きで9月生まれ。
そんなご縁から、男性は
9月の誕生石であるピンクサファイアに
惹かれていきました。
そして、結婚指輪選びへ。
お二人で身に着ける指輪なので
改めて男性のお好みを伺うと、
シャープなデザインが好みだそう。
指輪が詰まったリングBOXから、
4種類の候補が選ばれました。
コンビカラーや、V字のフォルム。
スッキリしているだけでなく
上品さも感じられるデザインばかりで、
女性と一緒に身に着けることを
意識して選ばれたのかな、と
男性の優しさが感じられました。
この日の指輪選びは、ここまで。
男性の思いが伝わり、
心が温まる初めてのお打ち合わせでした。
そして約1ヶ月後、クリスマス目前に
お二人がアトリエを訪ねてくださり、
女性と私も初対面を果たしました。
前回、男性がピックアップなさった
婚約指輪と結婚指輪をお見せすると、
女性からの一言。
「さすが、私の好みを把握してるね!」
男性のお見立てがぴったりだと分かり、
私にとっても嬉しい瞬間でした。
100種類以上ある他のデザインにも
目を通していただいたものの、
男性が選ばれた3種類のうち
《ホルン》と《アルベロ》が候補に残りました。
《ホルン》は、カーブがエレガントで
指を綺麗に見せてくれる、
ダイヤとプラチナの清らかな
王道のブライダル感漂うデザイン。
《アルベロ》はユニークで
デザインも色合いも珍しく、
ピンクサファイアが目を引きます。
「こっちの方が君らしいよ」
男性がそう言いながら
迷いなく《アルベロ》を示すと、
「こっちにします、
彼と私の直感を信じます」
女性は照れながら
男性の言葉に寄り添われました。
結婚指輪には、男性が選ばれた
コンビカラーをベースに
女性好みの繊細さも取り入れ、
《アルページオ》が選ばれました。
ピンクゴールドがお気に入りの
女性に合わせて、配色はお揃いに。
男性の指輪は、ピンクゴールドの部分に
マットな質感を加えて
落ち着いた印象にお仕立てしました。
結婚指輪を探し始めると、
普段はあまり意識していない部分まで
お二人ご自身について
深く掘り下げる時間が生まれます。
お二人が指輪を選ばれる過程は、
お互いへの思いを確かめ合うような
こころが温まるひとときでした。
指輪選びで発揮した
お二人の冴えた直感力で、
幸せな人生を拓いていってくださいね。
つくり手 / 板橋