2021.06.07 リングコラム

【指輪へのこだわり】彫り模様を取り入れた鍛造の結婚指輪

彫り模様の結婚指輪


指輪の表面に装飾をするため、タガネという道具を使って模様や文字などを入れる技法を彫金といいます。

‘彫り’ともいい、代表的なものとしては日本伝統の和彫り、イタリアのフィレンツェが発祥の洋彫り(incisioneインチジオーネ)があります。画像は洋彫りの作業をしているところです。



彫り模様と鍛造製法の融合


ithの鍛造製法の指輪の中に、彫りの技術を使った結婚指輪が2つあります。1つは植物の月桂樹をモチーフにしたもの、もう1つは表面全体をキラキラとした模様にした指輪です。

ハンマーワークで金属を叩いてひきしめながらつくった力強い指輪に、繊細で華やかな職人の手仕事が宿っています。



Foglia《フォリア》


月桂樹をモチーフにした結婚指輪で、月桂樹には‘家族の木’という意味があります。葉が太陽をたくさん浴びて育つように、お二人がこれから1つの家族としてのびのびと成長していけますように、という願いを込めています。

筆で書いたような強弱のある和彫り技法を使った彫り模様は、線が際立つよう表面にはヘアラインというマットな質感を入れました。鍛造と切削製法で指輪のベースをつくる機械技術、表面に1つずつ刻む模様は職人の手仕事の技術、2つの技術を使った贅沢なつくりになっています。

彫り模様は、一度指輪の表面に入れてしまうとやり直しができないため、作業には緊張感をもって挑みます。レーザー彫りのように機械で入れる単一な線ではなく、手仕事のため線の1本ずつ、模様の1つずつに職人の気持ちが込められているので、手仕事感やぬくもりを感じられるデザインです。

両サイドの縁に沿って入るミルグレインの加工を装飾として入れることで、一直線の均一な粒が指輪にメリハリを与えてくれます。

Foglia《フォリア》コレクション



Reticolo《レティコロ》



洋彫りの技法を使った結婚指輪で、‘格子’というイタリア語が名前の由来の結婚指輪です。

よく見ると規則的に格子状に模様が並んでいて、キラキラと指輪の表面が輝いています。先端に細かい溝が入った洋彫り専用のタガネという道具を使って模様を刻んでいく作業は、何度も指輪の表面に手の力を使って彫り入れる、とても根気のいる作業です。

このレティコロという指輪は、指輪の幅全体に洋彫りを入れたあとで、ダイヤカットという機械を使って、両サイドを一段削り取る切削加工をしています。両サイドに鏡面の仕上げがあることで、コントラストが生まれ、上品ですっきりとした見た目の結婚指輪になるのです。

手入れの行き届いたダイヤカットの機械は、人の手ではつくることのできない0.1mm単位の真っ直ぐで正確な削り作業を可能にします。

レティコロは機械加工と手仕事を工程ごとに使い分けながら制作するコレクションです。

Reticolo《レティコロ》コレクション



鍛造、切削、彫りの技術を習得するまで


鍛造コレクションで使う技術は、どれも毎日の修練なくしては習得できないものばかりです。

鍛造製法は、地金と対話しながら自在に金属を輪の形にするための修練、切削の作業は旋盤という機械のクセや削るためのダイヤバイトという刃先の選定などを見極める修練、彫りは美しい1本の線を指輪に入れるためにタガネという道具を作るところからはじまります。どの技術もコツを掴めばすぐにできるというものではなく、毎日のコツコツとした積み重ねで習得することができる技術です。

職人の技術力のつまった鍛造コレクションは、結婚指輪という特別なアイテムにふさわしい人の手の温もりで一生懸命につくられています。


つくり手 高橋亜結


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