【ithのこだわり】たくさんの思いを重ねた指輪づくり

'つくり手'という言葉


「(つくり手の)◯◯さんが実際に指輪を作ってくれるんですか?」

お客様の接客を担当しているつくり手が、初めていらしたお客様から時折尋ねられる質問です。

代表を務める女性職人の高橋が、お客様と直接コミュニケーションをとりながら要望を汲み取り、実際にそれを作る、というスタイルを原点とするithですが、現在ではいくつかの役割に分業してリング制作を行っています。

主な役割分担


ithのリング制作には主に以下のような役割のスタッフが関わっています。

①ithの窓口として、お客様とのコミュニケーションを行うアトリエスタッフ(この担当者を「つくり手」と呼んでいます)、

②リング制作の管理や検品チェックなどを行う生産スタッフ

③実際の加工制作を行う職人(自社職人とパートナー工房や職人さんがいます。)

冒頭の質問のとおり、'つくり手'という言葉は、「実際に指輪を作っている人(≒職人)」という誤解を与えてしまいやすいのですが、分業したとしても、一人一人が大切なものづくりに携わる人間として、誇りを持ってお客様にしていこうという意味合いと、企業・組織体として健全に成長しながらも"つくる人と使う人が直接つながるものづくり"を大切にしていきたいという思いを込めて、この言葉を使わせてもらっています。



人手をかけてつくりあげる


リング作りに携わる分担体制をざっと説明しましたが、職人の仕事について、もう少しご紹介できればと思います。

職人の仕事というと、一個のものづくりに最初から最後までじっくりと向き合って、というイメージを持つ方も多いのでないかと思いますが、高度な知識や、精緻な技術・設備が要求されるジュエリー制作の現場においては、ひとくちに職人といっても、制作工程や技術・技法などによって、さらに役割や専門分野が細分化されている状況があります。

ithのリング作りにおいても、主に精密鋳造という技法を使っていますが、鋳造で元となる形をつくり、それを磨き、石留めや彫りの技法を施し、そしてその仕上がりを第三者の目線で検品、チェックし・・・と一本の指輪をつくるために、実は複数のプロフェッショナルが関わっています。

映画や音楽のように


表現が適切かどうかわかりませんが、私は映画や音楽の最後に流れるエンドロールやクレジットタイトルを見ながら、指輪作りにも似た構造があるのではないかと思っています。

映画や音楽も、表に名がでるのは、役者や歌い手だったり、せいぜい監督や名のあるプロデューサーだったり、と思いますが、実際には表に出ない多くのスタッフの仕事によって成り立っています。

ithでは、オーダーメイドによってお客様とつくり手が一緒につくる指輪づくりを標榜していますので、主役はもちろんお客様とその指輪ですが、そうすると脇役として主役に寄り添い引き立てる存在が'つくり手'、そして職人や生産に関わるスタッフは、一人一人のお客様の指輪づくりを支える裏方スタッフということになるかと思います。

'つくり手'の場合は、お客様の喜ぶ場面に直接立ち会えたり、ときに感謝の言葉やお手紙を頂けたりすることもあります。職人たちや生産スタッフたちは、なかなかこのような機会はありませんが、主役のために自分たちの持てる力を出し切っていいモノを作り上げたい、という気持ちと、プロフェッショナルとしての誇りには変わりありません。

お客様それぞれの思いや願いを、つくり手がサポートしながら、脚本を描く。その脚本に従って、一人一人の職人やスタッフが自分たちのこだわりを込め、ストーリーを仕上げいく。

小さな指輪にエンドロールはありませんが、ひとつひとつの指輪に、表に出ないプロの仕事や思いが密かにクレジットされているというのも、オーダーメイドの指輪の魅力なのではないかと思います。

ith 吉田

ithのものづくりについて

この記事はいかがでしたか?

回答すると、ほかの方の反応がわかります。
あなたはどっち?

この投稿をシェアする

【ithのこだわり】たくさんの思いを重ねた指輪づくり