2021.04.04 代表ブログ

毎日を幸せにしてくれるアニバーサリージュエリー

ithのアニバーサリージュエリーの中でも、一番小さなネックレス、Grano〈グラーノ〉は、イタリア語で“粒”という意味があります。1粒石タイプのプチネックレスは、成人のお祝いやファーストジュエリーとして楽しんで身に着けられるものを、とデザインを考えました。上質なものをさらりと着けこなして、毎日をちょっと幸せにしてくれるアイテムになればいいな、と思っています。


小さな宝石と、宝石の周りを取り囲む地金の色の組み合わせでオリジナリティを出すことができる〈グラーノ〉は、選ぶ人の個性と同じように、自分らしく人生を楽しんでほしいという願いを込めました。



私は、吉祥寺でアトリエがはじまった時から“その人らしさ”にこだわり、本当にいいと思えるジュエリーをつくってほしい、と思っています。


2014年にithがはじまった時、結婚指輪・婚約指輪のデザインの数は今よりずっと少なく、限られたスペースに小さなテーブルとソファーが1組あるだけのこぢんまりしたアトリエでした。歴史のあるブランドでもなく、華やかな装飾がされた広いお店でもないithでは、誠実にお客さまへ向き合い、その人に合った唯一の指輪をつくることしか私にはできないと思い、自分のできる限りの技術とアイデアを練って理想とする指輪づくりをしようと考えていました。


少しでも指輪への愛着を持ってもらいたくて、気に入ってずっと肌身離さず身に着けてもらいたくて、今でもこの“本当にいいと思える”という部分にこだわってithに関わるみんなで大事に守っています。



アニバーサリージュエリーを開発するにあたり、新しい職人さんと仕事をすることになった時の話。「こんなに小さなネックレスの表面に槌目を入れるのは、今までの仕事ではやったことないし、難しいです」と最初の打ち合わせではネガティブな反応でした。


ジュエリーの業界では、鏡面仕上げと言って、ピカピカで平滑に磨かれた仕上げが一番多く、つや消しの加工としてはホーニングという加工で、微細なガラスのビーズと空気を一緒に勢いよくジュエリーに吹きつけ、砂のような質感を出すやり方と、ヘアラインという横線の細かい筋を一定方向にかける加工の2つが、主なつや消し加工です。


ithのつや消しの加工は工夫を凝らしたオリジナルのものが多く、アニバーサリージュエリーで使う槌目の模様は、小さな凹凸で手仕事のやさしいぬくもりを感じるテクスチャです。槌目を打つ道具づくり、打った面の凹凸の強さやつや消しの具合など、丁寧にこつこつ時間をかけて仕上げる繊細な槌目です。


「やったことがない」と言う職人さんの言葉は、正直に言うと予想していた反応でした。それでも、今までやったことがない面倒で手間のかかる仕事なら、お客さまに喜んでもらえる価値がきっとあるはず!と私は思いました。今までも、「やったことがないからできない、やらない」ということを私自身最も嫌い、反発とも言える根性で乗り越えてきました。ピンチの時こそ何か良い案を考えて困難を乗り越えていけばいいだけです。


ithには自社工房があり、他ではできない難しい仕事を扱うことのできる腕利きの職人がたくさんいます。テクスチャの部分は熟練した自社工房の職人が協力することで、この課題をクリアすることができ、最初ネガティブだった職人さんとも、今ではithのアニバーサリージュエリーへの想いを共有し、同じ気持ちで制作に取り組むことができるように信頼関係ができ上がりました。



こんな不安定な今の世の中でも、希望を持って少し前向きに、強く生きられたら。そんな願いをithのアニバーサリージュエリーに込め、これから育てていきたいと思います。





ith 高橋亜結


アニバーサリージュエリー Grano〈グラーノ〉

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