先日、屋久島に行ってきました。
世界遺産にも登録され、樹齢7,000年を超すともいわれる
縄文杉に代表される屋久杉などの原生林で有名な島ですが、
亜熱帯から亜寒帯までを含む気候のもと、
北海道から九州まで日本植物の7割以上の植物が
一つの島で見られるという大変ユニークな島です。
多様な植生を誇る屋久島ですが、山岳地帯の大部分は
太古の昔に隆起した花崗岩を基盤としており、
その上に長い年月をかけて草土が堆積し、
そこに原生林が形成されています。
ベースが花崗岩であることから、植物にとって栄養分に
乏しく発育しにく土壌となっており、屋久島の植物
の多くは、他の地域に比べて極めてゆっくりと成長している
ことが確認されています。
屋久杉が極めて長寿であることもこのことに由来しており、
極めて成長が遅いことで木目がぎゅっと詰まっており、
そこに降雨や湿度の影響が重なることで樹脂の含有量が
多く腐りにくい体質を備えているとのことです。
通常の何十分、何百分の一の早さで、ゆっくりとゆっくりと
成長していくことで長く長く命をつないでいる屋久杉。
とかく早さや効率を競うことで適者生存をはかろうとする
現代の世の中と、対極の方法でいのちをつなぐその存在は、
じっくりゆっくりと積み重ねていくことで価値を生み出している
モノやコトの存在を思い出させてくれます。
雨露にかがやく苔むす森の中でぼんやりとモノ思う時間でした。
ithプロデューサー・よしだ
http://www.ateliermarriage.com/