2025.07.21 福岡天神

誓いの前にそっと贈る、ゆらめく波間の婚約指輪

約1年前、福岡天神アトリエにて

結婚指輪の制作をお任せくださったお二人。

 

今回のブログは、その後ご結婚式に向けて、

サプライズで婚約指輪をお仕立てした男性のお話です。

男性の想いと指輪選びのこだわりをご紹介いたします。

婚約指輪選びのきっかけ

元々指輪選びを始められた頃、

婚約指輪はいらないかな」

と女性が仰っていたこともあり

お二人は結婚指輪のみご用意されていました。

 

※当時の結婚指輪選びのエピソードはこちら

> お二人の感性を映した手仕事の結婚指輪

 

そんな結婚指輪のご納品から約半年後の冬の日、

男性からふと一通のメッセージを頂戴しました。

 

「結納の際に婚約指輪の話が出てきたことをきっかけに、

本当は婚約指輪が欲しかったのかな?と感じたんです」と

男性がお気持ちをお話ししてくださいましたね。

 

その後、お一人で再びアトリエに足を運んでくださり、

春に控えているお二人のご結婚式当日にお渡しできるよう

女性には内緒で婚約指輪を作ることとなりました。

想いを込めた婚約指輪づくり

 

男性が贈りたいと思い描いていたのは、

婚約指輪らしい王道のデザインでした。

 

選ばれたのは、

オーンダ》という“波”をイメージした指輪です。

指輪を横から見ると、ダイヤモンドを留める石座の部分が

波のような緩やかなウェーブを描いています。

 

以前、結婚指輪デザインを決める際に、

水のような、流れる動きを大切にされていた女性。

 

“幸せを運ぶ”

そして ”途切れることなく続く” を意味する

波がモチーフの《オーンダ》は、

お二人の結婚指輪にも通ずるところがありました。

 

女性がお持ちだった抽象的で美しい感性が、

婚約指輪にもしっかりと息づいています。

 

 

波しぶきのみずみずしさをより引き立てるために、

小さなメレダイヤモンドをブルーダイヤにアレンジ。

 

“王道な婚約指輪”というベースは守りつつ、

個性的になりすぎてしまわないよう、

ブルーダイヤの配置もじっくり考えてくださいましたね。

 

着用する向きによって印象が変わるように、

あえて片側だけにブルーダイヤをあしらいました。

 

“二人の未来がどんな方向へ進んでも美しく輝くように”

 

男性のあたたかく静かな想いを込めた、

お二人だけの素敵な婚約指輪の完成です。

迎えたご結婚式当日

 

そして迎えた、麗らかな春の佳き日。

 

身支度が終わり、挙式が始まる前の少しのお時間。

二人きりで過ごせるタイミングを見計らって、

お手紙と一緒に指輪をお渡しされました。

 

お二人の将来を誓う結婚式という特別な日に、

指輪とともに、

「これからもよろしくね」という気持ちを添えて。

 

思いがけない男性のサプライズに、

女性は驚きつつ感極まって涙されたと仰っていましたね。

 

どちらも“永遠”の願いを込めた結婚指輪婚約指輪

お手元に重なる美しい2本の指輪が、

お二人の絆をいっそう強く結んでくれましたら

とても嬉しく思います。

途切れなく続くお二人の未来

 

ご結婚式から1ヶ月後、

お二人でアトリエに遊びに来てくださり、

当日の素敵なお写真を

たくさん拝見させていただきました。

 

「とっても緊張したよ」「全然気づかなかった!」と

楽しそうにお話ししてくださる

お二人の笑顔がとても微笑ましく、

お二人にとって特別な瞬間をお手伝いできましたこと、

つくり手として何より幸せだな、と思いました。

 

素敵なお二人とのご縁をいただけましたこと、

感謝の気持ちでいっぱいです。

 

寄せては返す波のように、

これからお二人にたくさんの幸せが運ばれますように。

末永い幸せを、心よりお祈りしています。

 

 

つくり手 北ヶ嵜

福岡天神アトリエ

この投稿をシェアする

誓いの前にそっと贈る、ゆらめく波間の婚約指輪