手作りのペアリングをされていたお二人は、
ものづくりや職人の手仕事に興味をお持ちで
福岡天神アトリエを訪ねてきてくださいました。
見た目のデザインだけではなく、
結婚指輪に込める想いや意味合いも大切に
指輪選びをされていらっしゃいましたね。
アトリエにお越しになる前は
まだ漠然としていた指輪のイメージが、
ご試着を通してだんだんと形になっていきました。
流れるような、こだわりのフォルム
指輪選びを進める中で、
元々ウェーブのデザインが気になっていらしたお二人。
「風のようなカーブ」
「水面のようなゆらめき」
ご試着前のカウンセリングで
女性がお話してくださった指輪のイメージの表現が、
とても情緒的で素敵だなと思ったことを覚えています。
そんな感性をお持ちのお二人が選ばれたのは、
“永遠”の意味を込めた《メビウス ウーノ》でした。
指でたどると終わりなく続く、
“メビウスの輪“がモチーフの結婚指輪です。
職人の手の感覚から生まれる
立体的で抑揚のあるツイストフォルムに、
女性が惹かれる自然の海や川などの
流れるイメージを重ねてくださいましたね。
繊細な手仕事のアレンジ
お仕事柄、あまり華やかすぎるデザインだと
日常で身に着けるのが難しかったお二人。
質感はいくつか候補が上がりましたが、
男性が大切にされていた結婚指輪らしさを叶えるべく
凛とした鏡面で揃えました。
正面はシンプルな印象にした分、手のひら側には、
女性が大切にされていた自然のモチーフである
星の飾り彫りをそっと刻んでいます。
夜空に輝く道標となる星のような、
お二人だけが知っているお守りの印です。
また、女性の指輪には
細かな粒が連なるミル打ちを2周施しました。
ミル打ちはラテン語で[ミル＝千]という意味合いから、
こちらも“永遠"を想起する縁起が良い装飾です。
手仕事の細やかな煌めきを気に入ってくださいましたね。
そして指輪の内側には、手打ち刻印で
お二人のお名前をお入れしました。
機械ではなく職人が一文字ずつ手で打ち込む文字は、
手仕事ならではのゆらぎがあり
どこかあたたかみを感じる仕上がりです。
見えない細部にもお二人のお気持ちを込めた、
特別な結婚指輪が完成しましたね。
ご納品から、次のご縁へ
完成した指輪の仕上がりを、
とても喜んでくださったお二人。
立体感のあるツイストの流れ、
職人技の細かなミル打ち、
いろんな角度からじっくり眺めてくださいました。
ご夫婦の“永遠"の証として、
いつまでもお二人のお手元で
輝いてくれると嬉しく思います！
そしてお二人、結婚指輪のご納品から半年後に
婚約指輪の制作もお任せいただくこととなりました。
こちらの続きのお話も、
また別の機会にご紹介させていただきますね。
つくり手 北ヶ嵜
