始めてお会いしたのは12月。ithの雰囲気を気に入ってくださったお二人は、初めての指輪選びにちょっぴり不安を覗かせつつも、楽しみに栄アトリエを訪ねてくださいました。
“春先のお引っ越しに合わせて入籍しよう、ならば指輪も”
Instagramやゼクシィでいろいろ調べる中で、なんとなくお二人の中で指輪のイメージが生まれ始めていましたね。
プラチナを選んだ、お二人ならではの理由
お二人揃って柔らかな表情のお二人は、ピュアな笑顔が魅力的。実際に訪れてたアトリエを“かわいい!” と、女性はすっかり気に入ってくださいました。
具体的に欲しい指輪は見つかっていないけれど、シンプルな指輪を思い描くお二人。デザインはお揃いで、そこに女性はダイヤモンドを留めたいとお考えでした。
ひとつはっきり決まっていたのは、男性は素材をプラチナにしたいこと。お仕事柄どうしても指輪に油や傷をつけることになるため、変色に強く耐久性に優れた素材がいいのだと話してくださいました。
一方の女性は、普段はゴールドのアクセサリーを愛用中。ですが結婚指輪にはゴールドを選ばず、敢えてプラチナを選ぶことで特別感を出したいとお考えでしたね。
男性はご自身のライフスタイルに合わせて、女性は結婚指輪らしさを求めて、お二人のシンプルなプラチナの指輪探しが始まりました。
指で感じた、指輪の着け心地の違い
ずらりと並ぶ指輪を次々に試着してみて、お二人には想定外に気になるポイントが見つかりました。
それは、着け心地。
角張った平打ちリングや、シャープな鎬(しのぎ)のデザインの指輪を着けてみて、デザインごとに指なじみが違うことを感じていらっしゃいました。実際に、指輪の着け心地は着けた薬指の着用感だけでなく、両サイドの中指・小指への当たり具合は、指輪の厚みやエッジの有無で違いが生まれます。
『丸いかたちが、一番しっくりくる!』
お二人とも、指元での感触の違いにお気づきの上で、丸くて指になめらか寄り添う甲丸フォルムに惹かれましたね。特に男性は、指にフィットするデザインを好まれるようになりました。
さらに着け心地のいいデザインとして、カーブフォルムの指輪も着けてみたものの、エレガント過ぎるのもイメージじゃない。いろいろ着け比べてみて、甲丸ストレートの指輪にしようとお二人の意見が重なりました。
自分たちらしい“シンプルさ”を探して
装飾が少ない指輪は素朴なようで、実はデザインのごまかしが利かないため、シルエットや立体感が全体の印象を大きく左右します。
シンプル好みのお二人の目に留まったのは、指輪に立体感を与える“ライン”の要素。《カノン》のセンターに彫り込まれた直線が、男性の心を捉えました。
『これ、めっちゃいいよね!』
ぐっと気持ちが盛り上がったものの、懸念点も見つかりました。深い溝には、お仕事中に汚れが溜まりそうだと心配に。女性もずらりと並ぶダイヤモンドが、ちょっと華やか過ぎるみたい。お気に入りのポイントと、違和感が同時に浮かび上がりましたね。
お二人のお気持ちを踏まえて、次に試着していただいたのは《アルページオ》。丸みのシルエットをエッジの直線が引き締める、メリハリの利いたデザインです。
溝も浅く、ダイヤモンドも控えめに。お二人のイメージにピタリと重なりました。ここで女性から、地金についてご質問をいただきました。
『ゴールドの方が、ダイヤモンドが映えますか?』
元々ゴールドがお好きな上に、女性向けの《アルページオ》はピンクゴールドとプラチナのコンビカラー仕立てがスタンダード。サンプルをご覧になり地金の色で迷われるのも自然な流れでした。
色のコントラストでダイヤモンドが際立つのはゴールドですが、プラチナの方が透明感を引き立ててくれることをお伝えすると、女性は改めて“結婚指輪らしさ”を大切にしたいからと、男性とお揃いのプラチナ1色でのお仕立てを選ばれました。
アトリエで楽しむ、二人一緒の指輪づくり
試着をするたびに、お互いの指元を見て声を掛け合うお二人。楽しそうに指輪を選ぶお姿を眺めては、私も思わず笑顔が溢れました。
指輪の内側に彫り込んだご入籍日は、なんとアトリエで決めた日取りでした。
女性が調べた吉日と、お二人にとって縁のある数字を重ね、三人で一緒に考えた大切なご入籍日。縁起の良い、お二人の開運日が見つかり嬉しいです。
ご相談から約2ヶ月後、宅配でのご納品も可能でしたが、お二人はお仕事の合間を縫ってアトリエを訪ねてくださいました。完成した指輪を着けたお二人の笑顔を見届けることができたことは、私にとっても幸せな思い出です。
私も混ぜていただいて一緒に撮った写真を見返しつつ、お二人のますますのお幸せを願っております。