指輪やネックレスなど、ジュエリーに宝石を留める工程は「石留め」と呼ばれます。大きく分けると、宝石が突出した仕上がりの「爪留め」と、地金に埋め込むような「彫り留め」があり、それぞれに多様なバリエーションが存在します。
今回は、ithでお選びいただける代表的な石留め方法をご紹介しますので、ぜひお好みのデザインを見つけてみてください。
爪留め
スタンダードな石留め技法で、爪と呼ばれる小さな棒状の地金を倒して宝石をセッティングする方法です。爪の本数は2〜8本ほどが一般的ですが、デザインによってはわざと爪の本数を増やすこともあります。
爪の形状(デザイン)は指輪の印象を左右します。爪を丸くすると可愛らしく、三角は上品に、四角はシャープな印象を与えます。さらに爪の太さでも印象が変わり、爪が細いと繊細で、太ければより力強い印象を与えます。
爪留めは1粒ダイヤの婚約指輪に幅広く用いられ、ラウンドブリリアントカットのみならず、マーキスカットやスクエアカットなどさまざまな形の宝石を留めることが可能です。
爪留めのバリエーション
立て爪をはじめ、鬼爪・ふくろ爪・わし爪・けん爪・割爪などバリエーション豊富です。
彫り留め
爪となる部分の地金を残し、そのほかの地金を彫って削り取る技法です。爪留めと比べて、地金からの突出が少なく指元で凹凸が気にならないという特徴を持ちます。
指輪のフォルムに沿って、流れるようなラインを描きながら宝石を留めることができます。
伏せ込み留め (覆輪留め)
宝石を留めるための爪を作らず、宝石のエッジをぐるりと1周地金で覆い留める技法で、地金に彫って開けた穴に宝石をセットし、周囲の地金を寄せて覆うことで固定します。
衣服などに引っ掛ける心配がなく、最もシンプルで飽きのこない宝石の留め方です。
宝石を指輪の表面から突出させずフラットに留めることができるため、指輪の内側に内石を留める際にも用いられます。
ななこ4点留め (玉留め)
ななこ(=魚子 / 卵)のような丸い爪から、玉留めとも呼ばれます。伏せ込みをベースに、ミルタガネという、地金を寄せ集めて爪の先端を丸く仕上げることができる工具を用いた留め方です。
ななこ留めも、指輪の外側と内側のどちらにも用いることが可能で、ぷっくりと丸い爪に可愛らしさのある留め方で、指に触れるリング内側に宝石を留める際にも指当たり滑らかに施すことができます。
玉飾りのような装飾性があり、さりげないアクセントとしてもお選びいただけます。
毛彫り
鏨(タガネ)という、ノミのような金属製の工具をハンマーで打ち、地金を彫り丸い爪を起こして石を留めています。
鏨で爪を起こした痕跡が毛のように見えることからこの名前が付けられており、指輪の模様としても楽しむことができる技法です。
星の飾り彫り留め
ithオリジナルの石留めで、日本の伝統技法の“和彫り”を用います。鏨(たがね)とおたふく槌という道具を使い地金に模様を彫り入れる装飾で、元々は鎌倉・室町時代から刀の装飾に使われていたそうです。
彫り込まれた溝がキラッと輝き、シンプルなデザインはもちろん、どんなテイストの指輪にも不思議と馴染む点も魅力です。
指輪の外側だけでなく、内石を留める装飾としても加工が可能で、宝石を留めずに飾り彫りのみで仕上げても素敵です。
燕尾留め
毛彫りのバリエーションとして、ツバメの尻尾のように横に長い彫り模様が加わる燕尾留めという技法があります。
燕尾のデザインは、夫婦円満と家の繁栄を象徴するツバメにちなんでいます。すっきりシャープな装飾をお探しの方にぴったりです。
マス留め
四角い升(マス)の中に宝石が留まっているように見える技法で、まずは宝石の周りにベースとなる四角い彫りを加え、その内側に毛彫りで宝石を留めます。
アウトラインに四角い彫りが加わることで、丸い宝石が四角い印象に変化し、指輪の印象がエッジの効いたものに変化します。
チョコ留め
地金を石の径にあわせて丸く削り、その中に宝石をセットして小さな爪を起こす留め方です。
地金が宝石でしっかり覆われるため、安心して身に着けやすい石留め方法です。
石留めへのこだわりでよりおしゃれな指輪づくりを
このように、石留めにはたくさんのバリエーションがあり、宝石の魅力を引き出す大切なポイントとなります。
特に結婚指輪・婚約指輪においては、指輪全体の雰囲気を変えることができるため、ご自分のイメージに合う石留め技法でお気に入りのデザインを叶えてみてください。
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