結婚指輪と婚約指輪を探しに、女性お一人でお越しくださいました。
お相手の男性はお仕事柄、アトリエにいらっしゃることや、指輪も着用することが難しく、
たくさんのブランドをご覧になられて、ご自身の中でのイメージが徐々に具体的になってきた女性。
理想を形にするために、オーダーメイド制作ができるithへ足を運んでくださいました。
婚約指輪は、スタンダードで飽きのこない、かつオリジナリティのあるデザインをご希望。
華やかすぎず、控えめすぎず、ちょうど良いバランスのデザインを
サンプルリングを試しながら、女性と一緒に考えます。
女性の言葉からヒントを得て、指輪の側面にメレダイヤを留めることを提案させていただきました。
過去に似たデザインで制作をお任せいただいた例があり、
そちらを参考に、石留めの個数や大きさなど、細かなご要望をお伺いしました。
正面側から見ると、シンプルなソリティアタイプのデザインですが、
指輪の側面が見えると、さらに華やかさな印象になります。
続いてご結婚指輪のご相談へ。
理想は、表面加工よりリングフォルムが主役で、ダイヤが並ぶ華やかなもの。
ここでもたくさんのサンプルリングを試していただき、イメージを膨らませます。
指輪全体をツイストした《レント》は、
落ち着いた雰囲気でいて、表面のエッジで光の反射が変化するデザインです。
石留めをすると、その流れるようなツイストフォルムに合わせて
指輪の側面にまでぐるりと並ぶので、ご婚約指輪と重ねても石留めが隠れません。
石留めの個数や配置もご指定いただくことができるので、
女性の指のサイズや、お手元全体のバランスを見ながら、
どのあたりまで石留めをするか、ご希望をお伺いさせていただきました。
また、並んだダイヤの間に一つだけ、
女性のお誕生石であるブルートパーズもお留めしています。
4月生まれの男性のお誕生石はダイヤ。
お二人のお誕生石が一緒に並ぶ結婚指輪は、まさに世界に一つだけです。
完成した2本の指輪は、どちらも石留めがキラキラと輝いていて、
どちらか1本だけで着けても、2本を重ねて着けても素敵な仕上がりでした。
ご納品の際の喜んでいただけた女性の笑顔も、
完成するまでの間に女性とたくさんお話ししたことも、
とてもあたたかく心に残っており、私にとっても思い出深い指輪制作になりました。
お二人の幸せがこれからずっと長く続いていきますように。
つくり手 櫻井
