繋がり

2024年も残りあと少し。1つ1つの出来事が濃く、充実した年になりました。

 

今年はithの10周年。

記念の年ということで、新作の発表や特別なイベント、新しい試みなどの準備していたことを実行に移す時期でした。それと同時に、日本だけではなく海外も含めたithのあるべき姿を模索する時でもありました。

 

 

まず、今年1年の中でも大きな変化だったのは、ith jewelry(イズジュエリー)を本格的にスタートしたことです。

 

今までは結婚や婚約にまつわる指輪の制作が中心で、使う宝石はダイヤモンドがほとんど。

 

結婚した後に訪れるアニバーサリーをお祝いするジュエリーや、自分へのご褒美、色とりどりのカラーストーンを使いたいというご要望もあり、オーダー会を行いました。これをきっかけに、ブランドとしての可能性をさらに広げることができたらいいなと思っています。

 

 

 

ithが始まった時、‘末永くご縁が続く関係を築きたい’という理想を私は持っていました。

 

10年前から変わらないこの言葉を今の自分が紐解いてみると、人生で幸せなことやそうではないことがあった時に、指輪をつくった時の想いやithのこと、私のことをふと思い出してもらえたら職人として最高だな、という気持ちが言葉になったのだと思います。



そんな私の理想が叶った出来事がありました。

 

10年前にithで結婚指輪をお仕立てした方が、結婚10周年を記念したアニバーサリーリングの制作を依頼してくださったのです。

 

ご相談の時は、「10年だとダイヤモンドを10個使った指輪がいいのかな?」とおっしゃっていましたが、当時婚約指輪を制作していなかったことを私は思い出し、1粒のダイヤモンドが留まった、婚約指輪のようにも見えるデザインをサプライズで贈る提案をしました。

 

結婚記念日の直前に’10年越しの婚約指輪’は完成。

 

受け取りにいらした時のソワソワした様子を見て、ジュエリーをつくることで贈る人、身に着ける人、両方を幸せにすることができるんだと感じました。サプライズは成功、ご家族みんなが笑顔で写った写真を見た時、自分ごとのように嬉しかったです。

 

こういう場面に携われるのは、10年分のご褒美。過去の積み重ねや繋がりがあったから体感することができました。

 

 

 

そして、ithの海外アトリエのつくり手と関わりが深くなったのも今年です。

 

シンガポールと台湾にあるアトリエへ行き、ithの大切にしていることを伝える機会がありました。

 

アトリエのある場所や国民性、言語、ブランドとしての歴史が違っても、ithが‘身に着ける人にとって本当にいいと思える指輪をつくるために寄り添う’場所であるということ。そのために何をしてほしいか、を直接話したことで一緒の方向を向けたような気がします。

 

言葉の壁があってithの大切にしていることを正しく、わかりやすく伝えることは難しいし、日本と環境が違うことで私自身が軸を見失いそうになることもたくさんありました。英語や中国語を勉強しておけばよかった!と今さらながら悔やんでいます。

 

でも、直接アトリエに行って気づいたのは、信念を持って進んでいけばどこでも通用すると思えたことです。

 

自分の仕事や行動を信じきることができず、何となく振る舞うのでは通用しない。強い信念を持ったつくり手がお客さまをお迎えできるように、引き続き関わっていきたいです。

 

 

現地のつくり手には、ithの10年後やもっと先の未来をリアルに想像してほしいし、歴史を今作っていることを自分ごとにしてほしい。

 

私には10年間で幸せな思い出がたくさんできたからこそ、みんなにも同じ経験をしてもらいたいと思っています。

 

 

 

過去からの繋がりと、未来への繋がり。

 

アトリエでお客さまと納得のいくまで話し合うithの原点に戻り、1つずつ丁寧に積み重ねていきたいです。

 

来年は様々な繋がりがもっと強く、たくましくなるよう過ごしていきます。

 

これからも、ithを見守っていてください。

 

 

 

ith 高橋亜結

 

 

ith jewelry

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