2014.08.21 指輪制作日誌

健やかなるときも、病めるときも





フレデリック・ゴールドシャイダー(Friedrich Goldscheider)。






19世紀末からボヘミアを発祥に

数多くの名作を残した名工。






彼の工房において制作された

美しい女性と黒いデスマスク。






ここから、喜びと悲しみ、生と死といった

人生にまつわる対極的な意味合い感じるのは

私だけではないのでなかろうか。






      *






健やかなるときも、病めるときも、
喜びのときも、悲しみのときも、

富めるときも、貧しいときも、

これを愛し、これを敬い、

これを慰め、これを助け、

その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?







結婚式の牧師の挨拶として、

誰もが一度は耳にしたことがある台詞

だろうが真剣に想いを馳せて話しを

聞いている人がどれだけあろうか。






長い人生には、良きときもあれば、

そうでないときもある。




結婚生活においても、結婚前に抱く

バラ色の毎日でないことは、経験者

諸氏には良くお分かりのことだと思う。



健全な貴方は、幸せ絶頂の結婚に携わる者が

いきなり何をいうかと眉をひそめるだろう。



婚約指輪結婚指輪を扱う当店に限らず、

世の結婚関連サービスにおいては、

結婚のバラ色の側面にフォーカスをあてる。



これから新たな門出に発つ二人のために、

わざわざネガティブなことを言う必要もなかろう。



わざわざ自分自身の存在を危うくするようなこと

を言う馬鹿が在るものか。






確かにその通り。









けれども、生はあくまでもリアリスティックだ。



生きていく中には多くの試練が待ち受け、

人それぞれに生を享受した後死を迎えていく。






その現実へと旅立つ二人に、

祝福の気持ちを込めて指輪を紡ぎだす。






幸せの絶頂において語られる聖書の言葉が、

生と死を見つめる敬虔な心持ちを問いただすように、

二人と一生をともにする指輪も、

健やかなるときも病めるときも、

二人を支え、結びつける何かでありたい。






<ith よしだ>



イズの結婚指輪・婚約指輪コレクション

吉祥寺アトリエ

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