2014.07.10 指輪制作日誌

旅する真珠




真珠は何色でしょうか?




「そりゃ、白にきまってんじゃん?」



そう思った貴方、


・・・



正解。





ただし条件つき。


一般的に、白くて丸い珠、と思われがちな真珠だが、

実は様々な種類の真珠があり、色合いや大きさ、形など、

それぞれに独自の特徴や個性を備えている。




例えば、日本人にとって一番馴染み深いアコヤ真珠。

伊勢、宇和島、長崎など日本の近海に生息するアコヤ貝を母貝として養殖される。

気品あふれる白の輝きで、世代を問わず女性の心を捉えて離さない日本産の真珠だが、

生成りの木綿のように、自然な乳白色をしたもの、

ほんのりと頬紅をさした花嫁のようにあでやかなピンクの輝きを放つもの、

生まれ育った海への憧憬が滲みでたかのように青みを帯びたものなど、

水彩画のように柔らかで繊細なその色合いや輝きは、

見るものを楽しませ装う人の内なる魅力を静かに引き出す。




また、タヒチ近辺の海で生産収穫される黒蝶真珠。

一般的に大振り大人の女性を中心に人気のある真珠だが、

南海の少女の瞳のように大粒で黒々と輝くもの、

ピーコックグリーンと呼ばれ、その名の通りクジャクの羽根のように

高貴な七色の光りをたたえるものなど、そのエキゾチックな輝きで

我々を惹きつけてやまない。




余り意識されることはないが、真珠は画一的に生産された工業製品ではなく、

農作物や海産物と同様に、海とそこに棲まう貝という自然界から生み出された”生き物”だ。




そこから、人による選別や加工などにより品質を整えられ、

それぞれに応じたお化粧(染色など)を施され、商品として

市場へと送り出される。




元来が自然界から生み出されたものであるから、

そこに完全に同じものは存在しない。





人や動植物がそうであるように、その一粒一粒に生まれ育った環境があり、


そこから様々なプロセスを経て、独自の個性と味わいを醸し出していく。




そんな旅する真珠たちとの出逢いは、まさしく一期一会。


夏、いよいよ真っ盛り。




それぞれの彩りをたたえる真珠を眺めながら、彼らとともに故郷の海へ

空想のヴァカンスに出てみるのもまた一興だ。

<ithプロデューサー・よしだ>


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ithでは、アコヤ本真珠、黒蝶真珠、南洋真珠など上質なパールを取り揃えています。

手に取り見比べながらお気に入りの真珠をみつけだし、世界にひとつのパールジュエリー

をおつくりいたします。




真珠達との一期一会を楽しみに、ithへお立ち寄りください。





吉祥寺アトリエ

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