“10年間お付き合いをされているお相手さまへ、サプライズプロポーズのための婚約指輪を仕立てたい!”と、お一人で銀座アトリエを訪れてくださった男性。
最初は少し緊張されていましたが、じっくりとご相談を重ね、10年間の想いを伝えるのにぴったりな婚約指輪に辿り着きました。今回はそんな特別なエピソードをご紹介いたします。
個性を感じさせるデザイン
実際にデザインをご覧いただく前に、まずは男性へ、贈りたい指輪のイメージやお相手さまのことをお尋ねしました。
お相手さまがいつも身に着けているジュエリーの色や、お好きな服装の雰囲気など、具体的に伺う中で、
「彼女はお花が好きなので、花モチーフのデザインが色々あるithに行ってみようと思ったんです」
と、ithを見つけてくださったきっかけを教えてくだいました。
さらに、指輪を贈るご自身らしさも込めて、“王道すぎず、少しデザイン性があるもの” を選びたいお気持ちもお持ちでしたね。
そんなイメージにぴったりなのが、《グロリオーサ》というユリ科の花がモチーフの婚約指輪。お花が好きというお相手さまと、デザイン性を求めるご自身にしっくりなじむ指輪に出会われました。
ミル打ちの繊細なデザインとも迷われていましたが、カーブの有機的なラインと、ダイヤモンドを優しく包み込む “お花らしい形” にこだわって選ばれましたね。
お二人らしい意味を指輪に重ねて
《グロリオーサ》の花言葉は “燃える情熱” です。
一見するとクールな雰囲気を持ちながら、お話しするとお相手さまへの想いがしっかり伝わる男性のご様子に、この花言葉がぴったりだと感じました。
また、お二人のお揃いのペアリングはS字カーブのデザインとのことで、指輪の形がリンクするところも素敵ですね。
地金の色は、普段お相手さまが着けているジュエリーに合わせて、イエローゴルドでお仕立てすることに。ダイヤモンドの白い輝きと、ゴールドのコントラストが美しい指輪になりました。
ダイヤモンドにも想いを込めて
デザインが決まったので、いよいよ中央に留めるダイヤモンドを選びます。
さまざまなダイヤモンドを見比べる中で、“せっかくダイヤ一粒のデザインだから、輝きがよいものを選びたい” という大切なこだわりが生まれましたね。
輝きを大事にされる男性が選ばれたのは、サリネプロファイルレポート付きのダイヤモンドでした。
イスラエルに本社を置くサリネ・テクノロジー社より提供される評価レポートがついており、カラー・クラリティ・カット・カラット の4Cだけでは判断できない “輝きの良さ” を可視化し、評価したダイヤモンドです。
一粒ダイヤのデザインだからこそ、より美しい輝きにこだわり、最上級の輝きの証明である【ULTIMATE★★★(アルティメットスリースター)】のダイヤモンドを選ばれました。
ダイヤモンドは、約20億年という長い年月をかけて地中奥深くで結晶化し、原石として採掘された後、たくさんのプロセスを経て宝石としての輝きを得ています。
そのダイヤモンドが世界のどの土地で採掘されているのか、また、原石をどのようなプロセスで加工されて最上級の輝きを放つのか。
サリネプロファイルレポートは、そんなダイヤモンドの旅路を知ることができるレポートでもあります。
また、カラット数にもこだわりを込めて、お相手さまのお誕生日である27日生まれにちなんだ、“0.27カラット” のダイヤで選ばれました。
お相手さまを想いながらじっくりと考えた婚約指輪。
10年間の想いを伝えるのにぴったりなデザインとダイヤモンドの、特別な婚約指輪に仕上がりましたね!
想いをつなぐ指輪のご納品
サプライズプロポーズに備えて婚約指輪をお仕立てする場合、つくり手はなかなかお相手さまにお会いできません。
しかしいろいろな偶然が重なり、私もお相手の女性にお会いできて、完成した指輪を直接お渡しすることができました!
男性がどのような想いを込めてこの指輪を選んでくださったのか、こだわりをしっかりと伝えさせていただきました。
「すごく綺麗!」とじっくり指輪を眺めてくださったり、嬉しさと照れくささが溢れるお二人の表情に、想いをつなぐお手伝いができたかなと、私も心が温かくなったのを覚えています。
ダイヤモンドにも長い旅路があるように、お二人にも10年間一緒に過ごした時間があり、共に過ごす時間はさらにずっと続いて、積み重なった時間はお二人の歴史となっていきます。
これまでの10年間の想いと、「これからもよろしくね!」の意味が込められた特別な指輪が、お二人の絆の証として、お手元で輝き続けますように!
つくり手 前堂