お二人がithを知ったきっかけは、WEBで見つけたオーダーメイドができる結婚指輪ブランドのまとめサイトだったそうです。
自分たちの好みに合わせて指輪をカスタマイズしてみたいという願望があり、ithのWEBサイトにアクセスしたところ、雰囲気を気に入って新宿アトリエを訪ねてくださいました。
WEBで見たアトリエやつくり手の雰囲気が気に入り訪れた新宿アトリエが、思っていた以上にかわいくて好きになったと伺い、とても嬉しかったです。
特別感を求めて選んだ、オーダーメイドという選択肢
指輪を探し始めた当初は既製品の指輪も検討していたけれど、どんどん調べるうちに気持ちの変化が表れたお二人。
“自分たちのためだけに制作される、オーダーメイドがいいのでは?”
そう感じてオーダーメイドブランドを探し始め、結婚指輪の《フーガ》が気に入ったことをきっかけにithに興味を持ってくださいました。
百貨店のジュエリーコーナーで少し試着してからithを訪れたお二人は、実際に試着してみると、角のある平打ちリングは着け心地が思い通りではなかったと打ち明けてくださいました。
イメージと指に着けた感覚を、ひとつにする試着の時間
お二人が思い描くイメージについてもう少し詳しく伺うと、結婚指輪らしいシンプルなデザインがご希望でしたね。
二人の指輪はなるべくお揃いがよくて、違いはダイヤの有無くらいにしたい。そして、指輪のフォルムはまっすぐストレートがいい。ご要望を深く掘り下げるほど、お二人が当初《フーガ》に惹かれた理由がよく伝わってきました。
お二人の思いを言葉にしていただきながら、試着を始めました。
カーブフォルムやクラフトデザインを目にしても、やはり関心が湧かないお二人。結婚指輪らしいストレートデザインの指輪を中心に着け比べていきました。
いろいろ試着してみてお二人が気に入ったデザインは、当初のイメージ通りシンプルで上品なものばかり。そして女性は、心奪われるデザインに出会われましたね。
条件に合わせるか、好みに合わせるか
男性は流線が美しい《アレグロ》と、すっきり直線が活きた《トレモロ》がお気に入りに。
そんな男性へ女性から、“そちらの方が似合うからと《トレモロ》にして欲しい”とリクエストがあり、男性はすんなり女性のご要望通りの《トレモロ》を選ばれました。
最初に気に入っていた《フーガ》に近いながら、面取りするようにエッジの角が落とされており、指当たりが穏やかな指輪です。お気に入りのデザインと着け心地が、どちらも満たされましたね。
デザイン選びに迷われたのは、むしろ女性でした。お気に入りの指輪は《ロート》。レール留めが珍しいフルエタニティリングです。
お気に入りの指輪は《ロート》だけど、男性の指輪とのお揃い感が薄いし、想定のご予算からは随分とオーバーしそう。考えるほど、別のデザインにした方がいいかと悩まれたのでした。
お二人で一緒に着ける結婚指輪だから
頭で考えた条件に合わせるか、ご自身の感覚で選ぼうか。選びきれない女性の葛藤が伝わってきました。
ここでつくり手の私から、何も言わずにじっと話を聞いてくださる男性に、どちらがいいと思うか尋ねてみました。
“どちらでもいいし、ロートがいいならそれでいい”
男性がはっきりそう言ってくださることに、女性は驚かれましたね。男性は静かに見守りながらも、女性の気持ちをしっかり受け止めてくださっていたのです。
妥協して後悔したり、買い直すよりも本当に欲しい指輪にした方がいい。男性の後押しを受け、シンプルにお気に入りのデザインを選ぼうと流れが決まった瞬間でした。
地金は男性はプラチナ、女性は普段身に着けているものに合わせてゴールド。質感はツヤツヤの鏡面仕上げて揃えることになりました。
サイズ直しにも配慮し、女性の指輪はダイヤの数を減らしハーフエタニティに。ダイヤを外した部分にはミル打ちを施すアレンジは、オーダーメイドならではのオリジナルデザインです。
お互いの意見が後押しした、自分たちならではの結婚指輪
普通のショッピングと同じでは味気ないと感じ、オーダーメイドを選ばれたお二人。指輪を作り上げた体験に、特別な手応えを感じてくださいました。
アトリエを訪れる前は、“自分たち二人にとって、いいと思える指輪がみつかるのかな?” と不安もあったそうですが、ショーケースなしの半個室でのびのびと指輪選びが楽しめたそうです。
担当させていただいた私も、お二人が時間を掛けて丁寧に指輪を選んでくださることを、とても嬉しく思いながらサポートさせていただきました。
一緒に試着して、迷いながら相談し、お二人で作り上げた一組の結婚指輪。お揃いではないけれど、お互いの意見もしっかり取り入れて完成した、お二人らしい組み合わせではないでしょうか。
指輪選びの楽しい記憶が、お二人の結婚指輪にさらなる思い入れを深めてくれたら嬉しいです。