最初のご来訪はお二人で
具体的に指輪を探している
というよりも、
結婚準備のきっかけとなる下見デートを
楽しまれているご様子。
お二人を初めて
アトリエでお迎えしたときは、
そんな印象を受けました。
それでもお二人は
指輪の話を
熱心に聞いてくださり、
“どんな指輪が作れるのか”
真剣に尋ねてくださいました。
ポイントは “こだわり” と “重ね着け”
お二人が特に興味を持たれたのは、
“自分たちのこだわり” を
どのように指輪に込めるかでした。
デザインにアレンジを加えて
セミオーダーできる指輪が、
どのように仕上がるのか
興味津々のご様子。
また、女性は結婚指輪と婚約指輪を
薬指に重ねて着けたいとおっしゃり、
指輪のコーディネートを
意識なさっていましたね。
気になる結婚指輪は、
Vivace《ヴィバーチェ》でした。
数ヶ月後の、男性との再会
最初にお会いした日は、
指輪探しを始めたばかりだったお二人。
お好みのデザインを絞り込まれ
その日はアトリエを後になさいました。
そして、
しばらく時を経て
今度は男性がお一人で
アトリエを訪れてくださいました。
女性には内緒の
プロポーズのための婚約指輪選び。
男性は、女性のお気に入りのデザインや
細かなご要望を
しっかり憶えていらっしゃいました。
“波” がモチーフの曲線美
前回のお打ち合わせで、
心に留まった指輪は
どれもカーブの曲線を持つ
優美なフォルムのものばかりでしたね。
その中でも、特に女性のお気に入りだったのは
Onda《オーンダ》というデザイン。
リングアームの抑揚のあるカーブ。
センターに向かって大きくなる
ダイヤモンドのグラデーション。
石留めする爪のかたちに至るまで
うねる波のように
躍動感と繊細さを合わせ持ちます。
お二人揃ってお気に入りだった
結婚指輪もまた
カーブの美しいデザインでしたので、
重ね着けも楽しみな組み合わせに。
カラーストーンで彩る婚約指輪
婚約指輪といえば
ダイヤモンドのあしらいが一般的ですが、
お相手の女性は
カラーストーンに興味をお持ちでした。
ルビーとサファイア。
男性は、お相手の女性の好みを
しっかり記憶なさっていました。
センターストーンには
クリアなダイヤモンドを据えて、
両サイドに
小ぶりなサファイアを。
両端にはかわいらしいルビーを
石留めしました。
特別なデザインで伝える “想い”
小さなメレダイヤを
別の宝石に変えられること。
そして、女性がルビーと
サファイアを気に入っていたこと。
男性は、慣れない指輪選びの中で
女性のお気持ちの動きを
しっかりキャッチなさっていました。
個性を持たせた
世界にひとつの婚約指輪を
女性に内緒で選ぶには、
思いのほか勇気が必要だと思います。
その後、プロポーズを経て
再びお二人がアトリエへいらした際、
ルビーとサファイアがお気に入りだと
女性が教えてくださいました。
お二人の想いの深さが垣間見える
婚約指輪選びでした。