2017.05.04 #8

ずっと身につけられる
シンプルな仕立ての
槌目とプラチナの結婚指輪

POINT

  • 手仕事のこだわりが詰まった槌目模様の指輪をベースに
  • シンプルかつ上品なアレンジで飽きのこないデザインに
  • マーキスカットのダイヤモンドを使った華やかな婚約指輪

2015年の7月に婚約指輪をお仕立てしたお二人。
マリッジリングをお仕立てしたのはその一年半後のことでした。

こだわりが詰まった槌目リングをベースに


結婚指輪はシンプルでずっと身につけることのできるデザインが良いと、お二人のご希望でMartello uno《マルテロウーノ》をアレンジしたデザインでオーダーをいただきました。

マルテロはイタリア語で《槌》、という由来のあるリング。金槌の模様がリング内側に入っています。丸線をリング状に丸めて作るためコロンとした形状で、2つの地金を使った貼り合わせという制作方法のマリッジリングです。リング内側に使っているK22という通常のイエローゴールドよりも黄色味の強い金の素材を使っています。丸みのあるリング内側から、側面にかけて地金が巻きつくよう制作、そこに槌目を打ってリングが出来上がります。

作り方はとても手が込んでいて、しかもひとつずつの工程は熟練が必要です。でも、デザインは整っていてすっきりシンプル、たくさんの工程を積むことで手仕事の温かみと素材の重厚な質感を感じるリングになります。

 

上品で飽きのこないシンプルなアレンジに


はじめ、結婚指輪には四角いダイヤを入れたいとご要望のあった女性。リング幅が2mmと細いオーダーだったため、四角い石を入れるよりもラウンドカットのダイヤモンドの周りを正方形に彫り、四角い石が留まっているように見せる、マス留という方法で石留めすることをご提案しました。

ダイヤとその周りの四角い彫りの装飾が、つや消しの表面によく映えるデザインになりました。
部分的に直線が入りリングトップにメリハリも生まれたと思います。

 

男性は通常2色でお仕立てするコレクションを、プラチナのみを使うことにより、シンプルなリングにお仕立てすることにしました。
長く愛着を持って身につけること、にこだわった男性は正面からリングを見ると、丸みのあるベーシックなつや消し仕上げの上品な甲丸リングになっています。

側面から覗く光沢仕上げの槌目で特別感と、女性とのお揃いの部分をつくることで、
お二人だけのかたちになりました。

クラシカルで華やかなフルオーダーリング


婚約指輪は男性のご希望で華やかなデザインのリングをフルオーダーメイドで制作しました。

中心のダイヤモンドを囲む4粒のアーモンド型、マーキスカットのダイヤモンドがクラシカルで華やかな印象のエンゲージリング。
アームにはハーフエタニティで大粒のダイヤモンドを配置しました。

制作の時にダイヤモンドの大きさ、配置のバランスを決めて組み立てる作業に苦戦したことをよく覚えています。

婚約指輪のご相談にいらしていただいたのは、ちょうど2年前。

エンゲージリングをはじめて見たときに感動したことや、お二人お揃いの指輪を見たときに幸せな気持ちになれたことを、後日女性から教えていただいてとても嬉しい気持ちになりました。

結婚を決意しプロポーズ。マリッジリングのお仕立てまで、お二人の3つのリングに関わり改めて、リングを通して人生に寄り添うつくり手でありたいと思いました。

リングという小さなアイテムが繋いでくれたご縁をこれからも大切にしていきます。

ちょうど先週末が結婚式だったお二人。末永いお二人の幸せをお祈りしています。

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ずっと身につけられるシンプルな仕立ての槌目とプラチナの結婚指輪