学生時代に山口県で出会われて、
今は福岡県にお住まいのお二人。
昨年の夏から福岡天神アトリエに何度も足を運んでくださり、
お二人の出会いのストーリーを
指輪に込めるお手伝いをさせていただきました。
奈良県ご出身の女性がお気に入りだったのは、
職人の手仕事によるランダムな彫り模様が
アンティークの雰囲気を醸し出す《ピオージャ》。
「雨に濡れた花嫁は幸せになれる」といわれ、
祝福の証として自然の”雨”をモチーフにした結婚指輪です。
平打ち形状のリングに四角いダイヤモンドを留めた
クラシカルなデザインは、古きものを大切に受け継ぐ
女性の心にぴったりでしたね。
長崎県ご出身の男性のお気に入りは、
平打ちの角を面取りした"しのぎ"という形の《トレモロ》。
少し珍しい形のリングは、
新しい文化や価値を取り入れる男性の感性を表したようです。
リングの中心面には”月”をモチーフにしたメーゼ加工を施し、
《ピオージャ》の”雨”と同じ
自然を感じられるようなデザインにしました。
リングの原点である平打ちと、その角を落としたしのぎ。
たくさんの種類がある中でお二人が惹かれた2本は、
一見違うリングだけれど、元々は同じ形です。
共通する部分もあってそれぞれの個性が現れている、
お互いを尊重しながら結ばれたお二人を象徴した
素敵な組み合わせとなりましたね。
細部にまでこだわってリングの内側に刻んだのは、
手仕事のゆらぎがあたたかい手打ち刻印。
縦線と横線が交互に並ぶ文字は、
上下でリングを重ねたときに交差するイメージです。
お互いの個性を大切にしながら、
”ふたつでひとつ”の繋がりも感じられる
お二人だけのリングが完成しました。
今年の春、新しいご家族が増えてから
みんなで指輪を受け取りに来てくださいました。
これからは指輪とともに、
笑顔あふれる家庭を築きながら
ご家族のストーリーを紡いでいってくださいね。
アトリエより、末永い幸せをお祈りしています。
つくり手 北ヶ嵜
