▽ お気に入りの特別なモチーフ
“この模様を取り入れたくて”
そう話しながら、
女性は麻の葉がモチーフの
幾何学模様を見せてくださいました。
アトリエを訪れたときから、
心に決めていた彫り模様。
麻の葉は、
魔除けの意味を持つモチーフ。
“いつまでも幸せでいられますように”
お二人の結婚指輪への思いが
このモチーフに結びつきました。
▽ オリジナルデザインに至るまで
彫り模様入りの指輪が
ithにもあります。
初めは結婚指輪のAlloro《アローロ》に
惹かれましたが、
幾何学模様を美しく再現するには
広い面積が必要です。
側面ではなく、模様は指輪の
表面に彫り込んだ方がよさそう。
様々なデザインの指輪の試着中、
男性もお気に入りの
質感を見つけました。
この、結婚指輪Mese《メーゼ》表面の
シルクのような格子状の模様は、
ithオリジナルのテクスチャー。
極細ラインを1本1本
手作業で指輪に施して
セミマットな質感を作り上げます。
女性は麻の葉模様、男性はメーゼ。
お二人の好きな模様を加え、
結婚指輪を作ることが決まりました。
▽ オーダーメイドのデザイン
麻の葉の幾何学模様と、
メーゼのテクスチャー。
ふたつの模様が
美しく調和するデザインは?
つくり手の私からご提案したのは、
指輪の幅を5.0mmと広く取り
ボトムに段差をつけたフォルム。
彫り模様が際立つように、
麻の葉の下地には
セミマットなヘアライン加工を。
そして、段差の部分に
男性お気に入りのメーゼを。
個性的なデザインながら、
肌色に近いピンクゴールドが
手元の印象を落ち着かせてくれます。
こうして、お二人の結婚指輪は
他にはないフルオーダーメイドでの
お仕立てが決まりました。
▽ たくさんの人の手を介して
お二人の指輪のデザインが決まり、
工房での制作がスタート。
指輪の制作は、
各工程のスペシャリストの
分業により進められます。
細分化された工程を
ひとつずつ確実に積み重ねるため、
全工程を管理するスタッフが
適した職人を手配します。
また、オリジナルデザインの指輪は
制作前に多くの下準備が必要です。
例えば、麻の葉の幾何学模様は
レーザー刻印を施すために
新しくデザインデータを作りました。
彫り模様の継ぎ目が分からないよう、
彫り始めと彫り終わりのパターンが
ピタリと重なるように。
太さや幅を緻密に計算し、
データを作成します。
このように、
思う存分職人が腕を振るうための
仕込みのような作業を伴いながら
指輪制作は進められます。
▽ 納得の品質にこだわって
“お客様が喜ぶ結婚指輪を”
その一念でオーダーメイドを承るith。
制作を管理する事務スタッフも
工程を担う職人も
品質にはこだわりを持っています。
今回、麻の葉を美しく彫り込む工程は
一筋縄ではありませんでした。
少しずつ少しずつ、
慎重にを進めるレーザー彫り。
0.1mm未満のズレに配慮する
根気の要る作業であるとともに、
技術力も必要とします。
ベストを尽くすため
何度もトライアルを重ね、
レーザー彫りの技術に優れた職人さんに
ご協力を仰ぎました。
吉祥寺アトリエの職人が
加工したばかりの指輪を手に、
工程管理を行うスタッフが
直接工房にお邪魔してのご依頼。
力を尽くしていただき、
麻の葉模様が完成しました。
▽ 最終チェックは、つくり手が
指輪が完成すると、
検品担当のスタッフが
厳しくチェックを行います。
チェックをパスして
やっとアトリエに届いた指輪は、
つくり手である私たちの
最終検品を受けます。
お客様と直接お話をし、
指輪への思いを知る
つくり手である私たち。
仕上がり具合はもちろん、
ちょっとしたニュアンスや
アレンジ具合を把握しているため
お客様ご自身の目を持つつもりで
仕上がりを確認します。
お二人の好みがひとつになった、
理想の結婚指輪。
完成した指輪を見たときは
本当に嬉しく、
緊張感から解放された瞬間でした。
▽ お二人へのご納品
たくさんお時間をいただき、
やっとお二人の手元に
お届けすることができた結婚指輪。
“一生の宝物になる”
そう仰っていただくとともに、
スタッフや職人へ
温かな労いのお言葉をくださったお二人。
指輪をお届けする私たちが、
お客様の温かな言葉に
励ましをいただく機会が
たくさんあります。
オーダーメイドの結婚指輪は、
それぞれがオリジナル。
小さな指輪を通じて、
深い思いとご縁が宿ります。
クリーニングやメンテナンスで、
お二人の笑顔と
使い込まれた指輪に再会する日が
今からとても楽しみです。