アクロスティックリング Acrostic Ring
愛し合う二人が密かに想いを伝えたアクロスティックリング
アクロスティックとは、各行のはじめの字をつなげるとある言葉になるという戯詩。 古代の巫女が予言する際のなぞ掛けに使ったり、欧米では献詩に用いたりします。 最も有名なものは鏡の国のアリスの最後の詩。ルイス・キャロルがアリスのモデルである少女アリス・リデル(Alice Liddell)の名前を頭文字に読み込んでます。
アクロスティックジュエリーは、これを宝石の頭文字でおこなうジュエリーのこと。
歴史に登場したのは、フランス、ナポレオンの時代。現在でもパリのグランサンク(五大宝飾店)であるショーメが、 皇帝ナポレオンの皇紀ジョセフィーヌの為に献上したブレスレットが初のアクロスティックジュエリーです。
ジョセフィーヌは当時の社交界一の人気者。またたく間にパリ社交界でアクロスティックジュエリーが流行しました。言葉に加えて、お互いのイニシャル、大切な記念日(ローマ数字表記)等を指輪に込めて贈ることが習慣化しました。(特に多く綴られたREGARDという言葉から、アクロスティックリングをリガードリングという場合もあります。)
この習慣が、当時パリに強い憧れをもっていたヴィクトリア朝のロンドンにも伝播し、イギリスでは主に婚約指輪や結婚指輪としてアクロスティックリングが大流行しました。しかし、20世紀に入ると宝飾品はオーダーメイドではなく既成品が主流となりました。言葉を宝石で表現するアクロスティックリングは、一本一本オーダーメイドでつくらねばならず、次第に時代から忘れ去られていきました。
アクロスティックリングを
現代に蘇らせる
色とりどりの宝石と、秘めたメッセージ。はじめてアクロスティックリングと出会ったのは山梨でジュエリーの歴史を学んでいた時。そのデザインとストーリーに強く惹きつけられました。吉祥寺に自らのアトリエを構え、丁寧な手仕事をしていこうと志した時に、アクロスティックリングを蘇らせたいと思いました。
それからは困難が続きました。まずは当時のヨーロッパで使用されていた26文字の宝石が日本の文献には残っていません。
実際に残るリングやいくつかの海外文献を辿り、ようやく26文字の宝石が集まりました。
次の問題は石のカットです。当時は貴族たちが大きな石を並べたとても豪華なリングをつくっていた為、石のカットが大ぶりでした。現代風に小さくカットし直すためには、石によっては難しい為、特別に腕の良いカット職人の協力をえて、同じサイズに揃えました。様々な出会いの上に、ようやく26文字すべてのアルファベットが現代に蘇り、自由にメッセージを紡ぐことができるアクロスティックリングが誕生したのです。
アクロスティックリングの楽しみ方
一番のおすすめはエンゲージリングです。ダイアモンドを中心に配し、色とりどりの宝石で囲むDEARESTのエンゲージリングはどんな女性でもいちどは身につけてみたくなるほど綺麗なリングです。
マリッジリングならお互いのイニシャルをシークレットとして一粒ずつ配すのもとても素敵です。また指輪の内側に刻印の代わりに宝石でお互いの名前や日付(ローマ数字)をいれるのも大変人気です。一文字だけ石にする方も多くいらっしゃいます。マリッジリングは、ベーシックなデザインとあわせておすすめしています。 ith(イズ)オーダーメイド結婚指輪工房のアトリエでは、様々な指輪と26文字の実際の宝石がご覧になれます。
アクロスティックリングのご注文方法
アクロスティックリングは、ith(イズ)オーダーメイド結婚指輪工房のマリッジリングコレクションのリングをベースにして制作します。お好きなリングをお選びいただき、リングに込めるメッセージやイニシャルをお決めください。メッセージは指輪の表面、裏面のどちらにもお入れすることができます。
リングデザインによっては入れられる石の数に制限がこざいますので、ご相談ください。
内石としてご用意できない石もございます。詳しくは各アトリエでお尋ねください。