"column"
ジュエリーの話
アクロスティックストーリー:D ダイヤモンド 4月
特徴・歴史
ギリシャ語で「決して屈しない」という意味の「adamas」を語源とする、地球上で最も硬い鉱物です。
ただし、靭性(割れにくさ)は水晶と同じ程度で、一定方向に強い力が加わると割れてしまいます。
普通少し黄みがかっていて、無色透明なものほど希少性が高くなりますが、
ファンシーカラーと呼ばれる色のついたものは、その色の美しさと希少性が高く評価されます。
古来権威や富の象徴とされていましたが、研磨技術が未熟だった時代には今ほど輝きはなく、
17世紀にブリリアントカットの原形が発明され、ようやくその美しさが開花したのです。
逸話
長らく世界最大として知られたダイヤモンドに、イギリス王室の王笏を飾るカリナンⅠ世があります(現在は二番目)。
これは530.2カラットのダイヤモンドで、1905年に南アフリカで発見された原石は、3106カラットもの大きさでした。
鉱山主の名をとって「カリナン」と名づけられたこの石は、イギリスの王に贈られ、カットはアッシャーという技師に任されました。
彼にかかったプレッシャーはすさまじく、カットを開始してダイヤが割れたとき、うまくいったにもかわらず、
彼は緊張のあまり失神してしまった……といわれているほどです。
こうして世界最大の原石は、アッシャーの見事な技術によって
9つの大きな石(カリナンⅠ世〜Ⅸ世)と96個の小さな石にカットされたのでした。
産地
ボツワナ、オーストラリア、コンゴ、ロシア、南アフリカ共和国、ガーナ 等多数
硬度10
(参照文献『天然石・ジュエリー事典』)