【指輪のデザイン】エンゲージリングに、こだわりと高揚感を込めて

エンゲージリングのデザインで大切にしていること


私が婚約指輪デザインする時の一番のこだわりは、幸せと結婚への憧れをリングに込めることです。

新しい家族になるワクワクする気持ちや、幸せな気持ちをリングに込めることで、いつでもその時の気持ちを思い返すことができるのがエンゲージリングだと私は考えています。


幸せな結婚への憧れを込めて制作したデザインの一つにFortuna《フォルトゥナ》というエンゲージリングがあります。




Fortuna《フォルトゥナ》


このリングには、いろいろなこだわりを込めました。

まず1つ目は名前です。ラテン語で'幸運'を意味するフォルトゥナ。ithのコレクションリングの中では唯一、神話に登場する幸運の女神の名前をつけました。


ithが始まって間もない頃は、私一人がアトリエにポツンといるだけ。

吉祥寺の小さなアトリエで、ソファーと小さなテーブル、作業机だけの飾り気のない空間で、制作をしながら時たま接客をしていました。

少しずつお客様がアトリエに足を運んでくださるようになって、嬉しかったことをよく覚えています。"幸運の女神フォルトゥナが、私たちやアトリエを見守ってくれているのかもしれないな"そんな感謝の気持ちも、このリングには込もっています。



素材選びへのこだわり


2つ目に、ピンクダイヤモンドピンクゴールドでかわいらしい、ファンシーな要素を入れ女性の結婚への憧れを具現化しています。かわいいものや、愛らしいもので女性の結婚に対する気持ちの高鳴りを、エンゲージリングのデザインに宿しました。

指元を見た時に、'ついに自分は結婚するんだな'という婚約した幸せな花嫁の気持ちを楽しんでもらいたいと思っています。

ピンクダイヤモンドと相性のいいピンクゴールドの地金を使うことで、かわいらしさをより強調しています。

ピンクダイヤモンドの選定にもこだわりがありました。

ダイヤモンドグレーダーの仕事場へ足を運び、たくさんのピンクダイヤモンドの中から、色味が濃く、インクルージョンの目立たない上質のものを選定しました。ピンクダイヤモンドを幾つも見ていると、色味の差があり選定に時間をかけてとても悩んだことを思い出します。




セットリングとしてのデザイン


結婚指輪のグラーヴェとぴったりと重なるセットリングとしてもデザインを楽しめるようなお仕立てにしました。

カーブの造形は指が美しく見えることにこだわっています。Grave《グラーヴェ》は、U字フォルムのリングです。中央に入るラインがすっと伸び、エンゲージリングのフォルトゥナのピンクダイヤモンドへと流れを産むように、カーブやラインを幾度も調整しました。

セットデザインへの挑戦で苦労しながら生み出されたフォルトゥナとグラーヴェは、お客様が'ぴったり重なってすごい!'とおっしゃってくださると、デザインでラインを合わせることに苦労した話をせずにはいられなくなってしまいます。



デザインに込めた遊び心


センターストーンのダイヤモンドには、ぷっくりと丸みのあるハートの爪を4つ配置しています。4つのハートが四葉のクローバーをモチーフにしていて、こちらにも幸運を意味するデザインが遊び心として入ります。


エンゲージリングは婚約、結婚を約束するアイテムです。結婚してからも、夫婦で過ごすプライベートな時間、元気を出したい時など、手元にリングがあると相手の想いや幸せを感じることができるのではないかと私は思っています。

《フォルトゥナ》は、キラキラと輝くダイヤモンドや、優雅なカーブ、ピンクゴールドのかわいらしさなど、身につける人がどんな時でも楽しんでもらえるデザインです。


いつまでも幸せな二人を《フォルトゥナ》が見守ってくれるお守りになりますように。




つくり手  高橋亜結


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